表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝の聖眼の神殺しと戦女神  作者: 暁 白花
終章 夜明けの勇者
251/301

期待ハズレ1

† 総司side



 〈青藍〉の刀身に雷光を纏わせ、手首のスナップを活かしたスピンで戦いの派手さを演出して見せた。

 これならば砦からでも紅牙猪の紅焔を宿した牙と〈青藍〉の刀身のぶつかり合い、鎬の削り合い、その衝撃で生まれる閃光や火花の散る様子が伺え、またどちらが優勢なのか一目で判るだろうとやってみたが、効果はあったようで砦の魔法士の魔力がざわついている。


 復活した妻夫木の相手を、千羽天剣流ー水月ー で作ったデコイにさせる。

 濃密な精霊力で作ったデコイを殴る妻夫木。奴に視る眼があればそれが偽物であることがバレるのだが、そんな様子は全く無い。


(それどころか殴った時の感触で解りそうなものだが……)


 何せ水面を殴り付ける様なものなのだから。


(多少は揺らいでいる筈なんだけれどね……。それが分からないほど奴のレベルが低いということか……)


 ん?


(あ、奴らを鍛えたのはこの世界の騎士……ザッシュとリディアだったか……)


 彼等は単独行動が出来るくらいには強いが、そもそもこの世界の戦闘職に就く者達が魔モノも討伐も出来ないから、魔法大国アークディーネの王に命じられたセフィーリアが異世界から勇者〈どれい〉となる人間を召喚したんだった。


 たとえザッシュとリディアが頭一つ抜きでたとしても、二人の強さまでにしか至れない。もしくは劣化版か。


(だったら弱いはずだ)


 たとえ、スティンカーリンで冒険者組合(ギルド)に入ったとしても受付嬢シュリカさんが加入試験でE判定と下された者に冒険などさせるはずがない。


(――奴め牽制として精霊力の戒めで呪縛して地に縫い付けている紅牙猪に近付いてないか?)


 目の前に在る憎き俺を攻撃出来ていることで、強化された自身の力に夢中で周りが見えていない。


(これじゃあどちらが猪かわからないな)


 紅牙猪は静に怒りを溜めている様で、冷静だ。その瞳は爛々と燃えている。


 氷鏡はいまだに目覚めず妄言を吐いているが、先程まで瘴気の触手プレイでアヘ顔をさらしていた。


(金箍児の呪で詩音達を忘れさせたというのに、それを解呪せずに思い出させようなんて、流石の俺でもそんな鬼畜な真似はしない)


 そのための金箍児なのだから。


(奴等の脳が壊れようとも異世界人の肉体うつわが手に入れば〈清浄なる世界の理〉はそれで良いんだろうし、たとえ肉体が壊れていても魔蟲でも何でも使って擬似脳を造り出せば良い)


 氷鏡と縁ある者を寄る辺に俺達の世界に渡る。


(異能を手にしたとはいえ、奴らの肉体だけで何が出来る?)


 異能者も鬼も存在する。


(当然、鬼斬りが動く。鬼斬りの鬼も動くか。特に最強の鬼斬りが真っ先に動く)


 渡るとしても氷鏡達を鍛え直(魔改造)してからだろう。


  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ