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とある者の遺書
生きてはいなかった。死んではいないだけだった。
残りの時間が苦痛だった。こんな思いを―― 想いをあと何十年も抱えて生きていかなくてはならないのかと夜も眠れなくなり、心が―― 精神が重くなった。
それは時には涙となり溢れ流れた。唇を噛み声を殺して泣いた。
平気な顔も、正常な振りも、作り笑顔も、話題探しも疲れ果てた。だが、心の痛みも苦しみも一度たりとて理解はされず、理解を示したところで、誰かと比較されてマシだと、誰もが辛いし疲れていると言われる。
一人では――独りでは重たくなった思いに立ち上がれなくなってしまった。この心には最早誰の声も響かない。
救いなど何処にもありはしない。だから終わらせよう。
今日は死ぬには丁度良い日和だ。




