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if  作者: むらかみ
3/5

自称神

今日はあまり体調が良くない。

やはり病気と言う事実からは逃れられないみたいだ。

受け付けをしているがとても笑顔でいられない。 うつ向いていると


カッカッカッ 誰か来た。


男(やぁ。麗美あまり体調良くないみたいだな。 気分転換に昼付き合えよ)


自称 神 だ。


麗美(不思議ね。嫌だけど付き合うわ。)




自称神(どうだ?自分の代わりに死んでくれる男は現れたか?)


麗美(貴方は女性を口説く時いつも こんな事言ってるの?

可愛い顔してんだから普通に口説いたらどう? 貴方は神ではなく、妄想家ね。)


自称神(俺は神だ。それは譲らない。

本来ならお前は俺と話をする事さえ許されない。 しかし俺はお前に興味がある。

お前は死を恐れていない。 人生に絶望しているわけでもないのに何故 死を恐れぬ。

まだ楽しい事もこの先にあるというのに。)


麗美(、、、貴方、本当に大丈夫?

はぁー、、、まぁいいわ。

私は受け止めただけ、自分が死んでしまう事を、それ以上でもそれ以下でもないわ。

ただ友達より先に行くだけ。

それだけよ。)


自称神(、、受け止めた、、、か。

よし分かった。今日はこれから海に行こう。

人間は海を見ると落ちつく。

血と海水の成分が近いからだ。

大丈夫だ。俺といれば体調は悪くならない。

、、、神だからな。)


不思議な男。言っている事はメチャメチャだけどなんか信じてもいいかなって思える。


麗美(いいわ。会社は午後OFFにするわ。

神様の車にも興味があるから。

きっと凄い車なんでしょ?)


自称神(何を言っている。車など持っているわけないだろ。空間移動だ!と言いたいが、

私は、人間に興味があるからこんな事をしている。 だからレンタカーを借りるんだ。)



麗美(フフフ。面白いわ。)




海に着いたら夕方になっていた。季節は初夏。 まだ少し寒い。

海岸を歩く。


自称神(寒いか?)


麗美(少しね。でもいい気持ち。風が優しいね。)


自称神(本当は駄目だが、今回は特別だ。)


自称神は麗美の肩を抱き寄せた。


あっ、、、なんだろ。暖かい。まるで光に包まれているみたい。

私は自分の体が細胞レベルまで分解されていくのが分かった。


自称神(早く誰かにカプセルを飲ますんだ。

あまり時間はない。お前の余命は一年無いんだ。、、、あと3ヶ月だ。)


麗美(貴方の言ってる事信じてもいいわ。

そして、もし貴方が本当に神様ならこのまま私を天に連れて行ってもいいわ。

3ヶ月もいらないわ。)


自称神(、、、それは出来ない。それはしたくない。それをすればお前は物質ではなくなり精神の集合体、、、気化してしまう。

お前は美しい。物質の中でも最上級に美しい

私が作った最高傑作なのだ。)


麗美(フフフ。貴方やっぱり面白いわ。

今まで出会った男の中でも一番よ。

私が病気じゃあなかったら是非お付き合いしたいものだわ。


ねぇこれからどうするの?

今なら抱かれてもいいわ。

、、、ただし今ならね。今度だと気持ちが変わってて抱かれてあげないよ。

女心は変わり易いの。)



自称神(麗美。送って行こう。私は神だ!人と交わる事は愚行だ)


麗美(、、、ハイ、ハイ!分かったわ。送ってくださいな!)


私はこの自称神と言う男が本当に神様なのかなと少し思った。

しかし、そんな事を考えた自分がおかしくて笑いが込み上げてきた。

世の中には、こんな男がいるんだな。少しこの世に未練がでちゃうかも。



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