私死んでしまいます。
人生は一度きり。
明日、貴方は生きていますか?
約束された寿命なんてないんだよね。
だから、今日を大切にしたいと思う。
私の名前は中川麗美。
私はあと一年で死んでしまう。
今年で27歳になり、顔も美人でスタイルも良く、今まで、男に苦労した事がない。
素敵な男性と出会い、男性は私を好きになり
私は、自分の条件をクリアしていればお付き合いした。
芸能人とも関係を持った事もある。
大体の遊びもしてきたし、欲しい物も特にない。
子供は可愛いと思うが結婚には興味が無い。
だから私は一年の命でも他の人より人生を楽しんだと思う。
みんなが思うほど人生に未練はない。
両親には申し訳ないがこれは、どうにもならない事だ。
私は父親の経営する会社の事務員をしている
私の強い要望で残りの人生は今まで通りに生活させて欲しいとお願いした。
父親は私の病気を知るとお金と人脈を使い頑張ったが今の医学ではどうにもならないみたい。
男(麗美さん。こんにちは。)
男は会社の取引先の息子で田中大、30歳の
イケテナイ君である。図体ばかりデカくて頭のない、私が一番嫌いなタイプである。
田中(麗美さん。今夜の食事の件は大丈夫ですかね? 7時に迎えに来ますので準備しておいてください!)
はぁーあまりにしつこいから食事をOkしたら毎日来て時間の確認をしてくる。
まぁー私の命も短い訳だし、少しくらい付き合ってやるか。
、、、コッコッコッ、、、誰かが近づいて来た。
男(やぁー麗美。話があるんだ今から話そう)
その男はスーツ姿で小柄、初めて会う人だ
どなたですか?
それを聞いた田中がハッとして男を睨む!
田中(貴様何者だ。麗美さんを呼び捨てにしてタダでは済まさんぞ)
田中は指をボキボキならしながら男に近付く。
男(さぁ。麗美行こう。)
男はニコリと微笑んで手を伸ばしてきた。
なんて澄んだ目なんだろ。
ニコリとした口元が可愛く不思議な、オーラを感じる。
私くらいになると男をオーラで感じる事ができる。
田中は、ますます鼻息荒く今にも飛びかかりそうだ。
麗美( あ、、や山下くんね。ごめんね。約束してたね。)
私は何故か嘘をつき、その男の手を引き会社の屋上へ向った。
田中は口を空けたまま、ボーっと二人を見ていた。
麗美(あなた凄いナンパの仕方するのね。初対面であれは無しよ。)
男(、、、早速だけど君は死ぬのが怖くないのか?)
私は一瞬ドキッとしたが すぐに理解した。
麗美(何処で私の事調べたか知らないけど
何かの勧誘なら無駄よ。私、無神論者だからね。神様なんていないのよ。)
男は一度空を見上げてまた私を見る。
男(麗美。僕は神様だ。だから君にチャンスをあげよう。
このカプセルは毒だ。このカプセルを君の代わりに死んでもいいと思う男に飲ます事が出来たら君を助けてあげよう。)
男はそう言ってカプセルを渡してきた。
不思議だ。いつもならブチ切れて警察に突き出してやるのに素直にカプセルを受けとってしまった。
まぁーこの男の顔が可愛い顔をしていて少しタイプである事も理由の一つだが。
麗美(貴方がマトモな人間だったら。付き合ってあげてもよかったけど。残念ね)
私は席に戻り仕事をした。外にはまだ田中がいた。こっちをみて手を振っていた。
、、、バカだね。