1話
俺が生まれてから3年の月日が流れた。
俺は頑張って赤ちゃんを演じた!
主演男優賞を貰ってもいい位にみなの目を誤魔化した!
この頑張りに報いるために主演男優賞是非とも欲しい!!
メイドの胸に抱かれながらも興奮を隠し・・・。
メイドと一緒にお風呂に入りながら興奮を隠し・・・。
メイドに添い寝されながらも(ry・・・。
頑張ったよね?俺頑張ったよね?
頑張りへのお褒めのお便り待ってます。
しかし、ある時遂に普通の子供ではない事がばれてしまったのだ。
なんてこったい油断しちゃったよ俺・・・。
それはある日の会議の事だった
現在、シュトルゥム辺境伯家の唯一の継承者である俺は
何も分からずに毎月の会議に参加している。
いや、させられている。何の意味があるのかは分からんが
これが世に言う帝王学とやらの一端なのかもしれん。
帝王学は王族だけか?良く分からんが
試練なのかもしれん(ry
3歳である俺に代わり執事であるウィルが全部してくれるんだけどね。
毎回毎回行き詰る、辺境伯家と言っても祖父の代に北の僻地にある。
領地だけしか無い様な所を開拓する目的で爵位を授かった貧乏辺境伯なのだ。
今、住んでいる場所も城と呼ばれるような立派な物は無く
ちょっとした2階建ての屋敷に住んでいる。
まぁ俺から言わせれば立派なものなんだが。
領地内にあるのは2つの村と領地の9割が樹海と呼ばれる森なのだ。
しかも今だに開拓は殆ど進んでいないのが現状なのだ。
MEはこんな所に何をしに・・・。
実に情けないと思った人も多いだろうが
まぁ色々と問題が多い土地なのだ。
1番の問題は未開の地と呼ばれる樹海だろう
中に入るとすぐにちょー強い魔物達の洗礼を受け
それを越えたとしてもすっごくちょー強い魔物達がわんさかいるんだ。
ちょー強い、すっごくちょー強いと言ったが正直どれ位強いのかは
イマイチ分かってはいないのだが・・・。
そんな話を周りのものから噂程度に聞いている。
奥地に入り戻ってきたものは未だにいない。
我が父であるマルクス=フォン=シュトルゥムは
現役時代は第二騎士団の騎士団長を務めたほどの実力の持ち主だったが
第4層に向かったまま・・・そのまま戻らなかった。
第何層の基準としては南側にある我がシュトルゥム屋敷のある場所から
樹海に入って2日ほど奥に歩いた辺りまでが第1層としており
2日間間隔で第2,3,4~となっており第何層が終点なのかは検討もついてないのが今の現状だ。
樹海全てを切り開くのが我がシュトルゥム家の悲願
であり、王国から与えられた使命と言ってもいいのかも知れない。
そうそう、普通の子供じゃないとばれた話だったが・・・。
「誰かいい案は浮かびませんか?」
いつもの通り執事のウィルが司会進行と最終決定を下す役目をしている。
会議に参加するのは、執事のウィルの他は兵士長のモルドと小隊長の兵士の2人と
一応居てるだけの俺の計5人の小さな会議だ。
そして毎回毎回、同じような議題で大した事は決まらない。
現状としては、父であった領主が死んでしまい
少なからずいた冒険者が逃げ、村にはまだ魔物の被害は目立たないが
退治する者が居ない今、少なからず近い内に領民達も逃げ出してしまうだろう。
そんないっぱいいっぱいの領地経営なのだ。
まぁこんな3歳の領主が治める土地に何かを期待するなんて無駄だろうがね。
「税収を上げるわけにはいきませんか?赤字続きでこれ以上は・・・」
兵士の1人が案を出すが
「税収なんて上げてみろ、領民達はこぞって逃げ出すぞ!」
兵士長が怒りあらわに訴える。
最後はまたこれか・・・同じ話ばかりで飽きてきたな。
そういや何でこの領地では冒険者ギルドを誘致しないんだろうか?
樹海は危険は多いが、正直他で依頼をして1年間働くより
樹海の第1層で3ヶ月程魔物を倒せば
今までの資料を見るに同じくらいの稼ぎになりそうなのだが・・・。
まぁ実際にやってみないと分からないのだが。
ためそうにも3歳の俺ではどうしようもないな。
15歳になればギルドで登録して樹海の探索へ繰り出してみたいが
後12年もの間このシュトルゥム家が生き残っていられるとは思えない
いや、3年も無理だろうなぁ。
しかし、王都にある冒険者ギルドの本部に樹海にも支部を誘致して貰い
冒険者を募り魔物討伐なりなんなりして貰い、開拓を進める方が
てっとり早いと思うのだが
「何で冒険者ギルドを誘致しないんだ?」
「「「「え?」」」」
「え?」
ぼんやり考え事をしている間についつい思ったことが声に出てしまったようでした。
「ぼ、坊ちゃま!!」




