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あるメイドの話

奥様が倒れられ数日後にお亡くなりになられた・・・。

ご主人様も樹海の探索中に亡くなられたと言うのにどうなってしまうのだろうか。


赤ちゃん用のベッドにはご主人様と奥様の赤ちゃんがお眠りになっている。

シスターがおっしゃられるには、奥様の様に体が弱いとの事で

数分たりとも目が離せない。そんな危険な状態が続いている。

メイド長とメイド2人で24時間体制でご様子を伺っているのだ。

気を抜くことは出来ないのだ。


この赤ちゃんはあまりミルクもお飲みにならない。

母乳の方が良いのかも知れないが

お乳の出るものはこの屋敷にはいないし

近くの村には母乳の出る女性はいない。

勿論私も母乳が出るようなことはまだ無い。

赤ちゃんは日に日に衰弱しているのが伺えている。


「折角、良いご主人様と奥様の下に仕えることが出来たと言うのに・・・。」


私は田舎から王都に出てきたが、

王都では何処の馬の骨か分からない者は雇ってはもらえなかったのだ。

しかし、縁合って折角この辺境伯の御家でお世話になったのだが・・・。


私は愚痴を言いながら、ベッドに目を向ける。

あれ?おかしい!!赤ちゃんの顔に血の気が無くなってきている。


「え!!うそ!?」


赤ちゃんの肌に手を置くとさっきまで暖かかったその肌から

温度が急速に失われていってしまう。

赤ちゃんの具合が悪くなったら直ぐにメイド長を呼べと言われていたのに!


「た、大変です!!メイド長!!!」


大急ぎでメイド長を呼びに行く。


「すぐに、シスターをお呼びして!!」


ああ、どうしよう赤ちゃんが、赤ちゃんが・・・

メイド長に言われ呆然としていた私は急いでシスターの元へ走った







「残念ですが・・・。」


シスターの一言に私達は言葉を失った・・・。

こんな不幸が続く事ってあるのだろうか。

ご主人様と奥様が亡くなり、そして御2人のお子様までもが・・・。


私は膝から崩れ落ちた。みな涙を流している。


「神様あんまりです、お2人の赤ちゃんまで連れて行かないで・・・。」


そんな時、皆が嘆く中、私は奇跡を見ました。

赤ちゃんが白く輝きだしたのです。


「た、大変です!シスター様、メイド長!!」


嗚咽を漏らす2人を必死に呼ぶ。

何がなにやら分からない、何がおきているの?


「うぅぅ、ど、どうしたのです・・・。」


この場にいる皆が輝く赤ちゃんを見て唖然としました。

何が起こったのかは分かりませんが、白く輝く光はそのまま消えてしまいました。


「オギャーオギャー」


すると、赤ちゃんが泣き出したではありませんか!

先ほどまで息も止まり冷たくなってしまった赤ちゃんがです!


「奇跡よ!ああ、神に感謝します!!」


シスターがお祈りを始めました。

私は赤ちゃんを抱きます、あの冷たかったのが嘘のように

赤ちゃんはポカポカとしてオギャーオギャーーと

腕の中で元気良く暴れ泣いています。

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