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さくら後編

作者: ailice


― こんな時間がいつまでも続くもだと信じてやまなかったのです。

11月になって君とはもう何年も付き合っている大親友のようになりました。

誕生日には親友にだけと決めていた手作りのクッキーをプレゼントしたのを懐かしく思います。

― とくべつな存在になりつつあるのを強く感じるようになっていきました。

あなたからいろんな宝物をもらいました。人からもらったものの大切さを初めて実感できました。

あなたからもらったものだったから宝物になったのです。

― ガラス越しに雪を見たとき一番にあなたに電話をしました。

その頃になるとあなたとの時間は何よりも大切になっていました。大好きな彼とも別れて、あなたと過ごす時間を大切にしたいと思うようになったのです。

あなたは、同じ景色を見たいと思えた唯一の人でした。

― 大切な1番の親友だったのです。

あるときあなたに聞いてはいけなかったことを聞いてしまいました。

“好きな人はいますか?”

― すごく複雑な気持ちになりました。君に好きだと告げられて。

私は君は一生仲良くしていきたい親友だと思っていたから。

私は勝手で、傲慢にあなたを傷つけてしまいました。

私はあなたとただ一緒に楽しく日々を過ごしていたかった。

― きれいな扇子を貰った時、天にも舞い上がらんばかりでした。

あなたは扇子が大好きで、たくさんの扇子を持っていました。なかでも学校によく持ってきていた桜の扇子は言葉では表せないくらい綺麗でした。

私が飽きずにずっと眺めているとあなたが笑顔で言いました。“そんなに気に入ったならあげる。”

いつでも素敵な桜が見られるという喜びとあなたからあなたの大好きなものを譲ってもらえたというくすぐったいような喜びが胸をいっぱいにしたもの

でした。

今でもあの桜柄の扇子は私の宝物です。

今あなたはもう目も合わせてくれなくなりました。廊下ですれ違うたびに胸がぎゅっと締め付けられたようになります。私は耳にピアスの穴をあけました。痛みとともにあなたとの思い出を忘れてしまわないように。


いつかまた、あの頃の様にとはいかないかもしれないけれど・・・

あなたと一緒に笑えますように。


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