第14話
第六ゲーム終了。現時点での経過報告。
【残機数】結月、桔梗、残り三つ。零、朱莉、残り四つ。海月、雷、変動なし。
「こんなところか」
零はテーブルにペンを投げ出す。細かくまとめられた進行状況報告書を眺め結月は頷いた。
「そろそろ部屋割り変えてみる?」
「そうだな。今のうちに他の部屋も見ておく価値はあるだろう」
再びくじを作り直し、残機が少ない順に引いていく。
「私また一番なんですけど……」
「俺も、また六番だな」
「交換します?」
「そうするか」
同じ数字を引いてしまった朱莉と零が順番を入れ替え、最終的には零、雷、海月、結月、桔梗、朱莉の順に決まった。結月は新たな部屋に足を踏み入れたものの、部屋のレイアウトはほとんど変わっていない。設置されている家具も同じものだ。
「うーん、部屋に違いはないのかな」
番号が違う以外に変化を見つけることはできない。そうこうしている間に三分が経過する。今回はどの部屋からも悲鳴は聞こえてこなかった。結月がリビングに戻ると朱莉が零の入った一番の扉を開けようとしている。結月は朱莉の肩を叩いた。
「あ、結月さん」
「お疲れ。零さん、外れ引いちゃったかな」
「あはは……代わらない方がよかったですかね……」
「大丈夫だよ、零さんのことだから飄々としてるはず……」
と、結月が最後まで言い終わる前に扉が開かれる。もはや誰かに起こされなくとも覚醒するらしい。そしてやや不機嫌そうな面持ちで舌打ちした。
「……チッ、これなら部屋替えせずともよかったな」
「あー、なんかすみません……何なら、代わりますよ……?」
「零さん、いじめないの」
気まずそうな朱莉を庇うように結月が前に出る。すると零は一転して笑みを浮かべた。
「少しくらい、いいだろう? 同じことの繰り返しにも飽きてきてな」
「もー……私ならまだしも、朱莉はかわいそうでしょ」
「勘弁してくださいよぉ……」
余程肝を冷やしたのか朱莉がその場に崩れ落ちる。デスゲームの真っただ中とは思えない和やかな雰囲気に、初心者プレイヤーが眉を顰めるのも気にせず零は笑った。
「悪いな」
「連絡先交換してくれたら許します」
「お互い、生きて帰れたら登録してやろう」
どうやら朱莉は零のお気に入りとして記憶されたらしい。零が朱莉の頭に手を置く。そのまま一撫でする様子を見て結月は思わず零の袖を引いた。
「どうした」
「……ん」
そしてわずかに頭を下げる。零は苦笑しつつ結月の頭を撫でた。
「心配しなくとも、お前には飽きていないぞ」
「…………知ってる」




