第2話 「あの時の軽い約束が、」
「はぁ……ずっと部屋に籠って私何してるんだろう。百合樺にも迷惑かけて。」
ぽりぽりとお腹を書きながらやっと布団から出てくる。百合樺は学校へ行っていて今ひとりだ。
ぐぅ〜~〜
「……、凹んでてもお腹はすくんだなぁ。何かあったかな?インスタントラーメンなら何かあったかも。」
インスタントラーメンをあさくっていると……
ピンポーン
「めんどくさいな…今日は出たくない。」
あれから私は…あの時の恐怖、不安そして間接的に人の死に関わったことによる罪悪感でいっぱいいっぱいだった。
ピンポーン
「……お腹空いた」
ピンポーン
「しつこいなぁ」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
「……あぁぁっ!」
あまりのしつこさに苛立ちを覚えながらもドアへ向かう
「はいはい!なんですかなんですか!?」
ガチャッ
無視すれば良かった。いつもの玄関のドアはいつから地獄のドアになったんだろう?
「チャオ〜♡」
「お前が、白波 朱灯か?」
『お邪魔します。』
あの時の3人だ。
「ひっ!?な、なんで」
咄嗟にドアを閉めようとした。なのにその瞬間クマの着ぐるみが間に足を入れてきた。
「抵抗はするな、もっと苦しむ羽目になるぞ」
抵抗は虚しくドアは破壊された。
「勘弁するアルヨー」
「ひっ、死にたくない。死にたくないです!」
必死に命乞いするも、
「それは無理だな。情報が少しでも盛れたら困る。姉妹両方暗殺依頼が入ってるんだ。」
『ごめんね…』
「っ……百合樺も!?そんなっ…私百合樺には一言も、何も言ってないです…!だから百合樺だけは勘弁をっ」
「ゴメンネー?キット、アナタが何かあったのは気づいテル。」
『可能性があるのは…ね。』
「それじゃア…来世でまた会えるといいアルネ!」
銃口を突き立てられる。
「ひっ…はぁっはぁっ」
恐怖で息が荒くなる。考えろ、考えるんだ朱灯。私だけじゃなく百合樺にまで被害が……
「……あ」
そういえばこのチャイナ服美人、あの時何でもするって言ってたよね。一か八か…!
「チャイナ服お姉さん…」
「ン?遺書なら捏造シトクネ!安心して逝くヨ!」
いや、そういう事では無いんだけど、安心もできないし……
「また、会えたら…何でも言う事聞くって言いましたよね?」
「エァ……?」
「ウダウダうるせぇ、早く済ませろ。」
強面メガネが銃を構える。時間はもう少ない…
「また会えましたね!約束通り……お礼は、“私と妹に手を出さず絶対死なないようにしてください!“」
「何馬鹿なことを……」
___強面メガネが銃の引き金を引いた。
「!!あの時の女の子アルネッッ!」
チャイナ服美人は近くにあったラーメンを注ぐようのお皿を足で蹴り、弾丸の軌道を変えのだ。
「っ…………?私、生き…てる?」
『チャオチャオさん……どういうつもりですか?』
「おいてめぇ、今度は何しでかしたのか分かってるよなぁ」
『ワタシ、約束は守るタイプアルヨ……だから、ワタシはこの子を守るヨ!』
まさか、ほんとに私を守ってくれるとは思わなかった……少しでもこれで救いはある!
「この馬鹿は頭に2、3発撃たないといけねーのか…??」
強面メガネがワナワナと震える。
『少し、手粗だけど……ごめんね。』
クマの着ぐるみは一切のブレも見せず、銃を構え引き金に指を添え、その瞬間__
私は宙に浮いてた、チャイナ服美人に投げられたようだ。
「いや、……は??」
そして私がさっきまでいた場所には弾丸が通っていた。チャイナ服美人に投げられてなかったら今頃……あ、着地っ…
「ほんと容赦なくないネー!!」
チャイナ服美人がまるで王子様かのように受け止めてくれた。やばい惚れそう。
「ファミリーは殺しちゃいけないアルヨー?」
「死なない程度にしてやるよ!!」
バンバンッと、壁が次々に穴を開けていく。
「しぬぅぅぅ!!」
「危ないネ!」
ほんとに人っ子一人持ってんのか、ってぐらい軽やかに避けむしろ足技で攻撃する。
攻撃が強面メガネの銃にヒット!手馴れた手つきで銃を奪い取る。
「くそっ……厄介な」
「それは私のセリフアルね!お前ら頭カチンコチンヨ!」
『このままその子を連れて国外逃亡でもするつもりなの?』
「それは……今から考えるアル!二階に逃げててアルヨー! 」
ぽいっと投げ捨てられると、私は全速力で階段を登った。
__________はぁ…はぁ
やっとの思いでついた私室、今のうちに警察をっ……
「くそっ」
こういう時に限ってスマホが見当たらない。やっとの思いで見つけ、スマホで電話をかける瞬間、えいっとスマホをチャイナ服美人に取り上げられた
「今警察に電話しても、死ぬだけアルヨ?スマナイケドネ!」
ダンッと尖ったヒールでスマホを破壊された。
「私のスマホ……」
「許しテ、スマホには今やGPSが付いてるネ、政府に狙われてる貴方致命的ヨ」
「え、政府に!?!?」
「あの爆発も政府に言われたカラネ…それを見ちゃったねアナタ。」
「そんなっ……どうにか手は?!」
「ん〜…ワタシは死なないけど、アナタ達死にそウ。」
すこし考える素振りをみせると……
「とってもイイコト思いついたネー」
ニンマリととても信用できないような笑顔を向けられた。