「プロローグ」
どうもこんにちは?いきなりですが…私、白波朱灯は絶体絶命のピンチです。
「うぁぁっ!死にたくない!!」
___時は遡って…
高校2年生の春、私は叔父のコネを使い保護安全区域第3区に住まわせてもらえることになりました。
あ、保護安全区域っていうのは犯罪率が急上昇した今の日本でセキュリティや安全に特化した区域なんだけど、未来ある若者や有名人、お偉いさん…などが集められている所で、誰でも住める訳じゃなく…私みたいに普通の学生はよっぽど高成績を保って何か賞を取らないかぎり入れないんだけども。
そんな能力主義じゃなくて裏金やコネとか沢山なんだよね実は、私は叔父のコネで保護安全区域第3区に妹と共に住まわせて貰えるようになった。高校2年生のこの春。
第3区春花奈高校2年に転入したんだけど、イジメゼロ陰口ゼロ!!なんてホワイトなんだ!
もちろん選考する審査には人格性もあるんだけど…人間関係で問題を起こしていつ保護安全区域を追い出されるか分かんないって言うのと強いんだろうね~。
まぁ、話は戻って…私は無事友達作りに成功!そして第3区が誇る、〖安心安全!夢の幸せな世界!〗がキャッチコピーな遊園地、「ハピネスワールド」に妹&妹友人、私&友達の大人数で遊びに行っちゃったんです。最初は楽しくて楽しくて仕方なかったんです……
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「ねぇねぇ、お姉ちゃん達。マスコット達と記念撮影しようよ。」
「お!いいね〜、ここのマスコット個性豊かで可愛いんだよね〜!」
「あたし、誰と撮ろっかなぁ」
そんな他愛のない会話をしてると。誰とも撮ってない、ポツンと立っているただのクマのマスコットを見つけた。
ただ、何となく。何となくだけれど。
「私。あのクマさんと撮ろっかなぁ。」
「えっ、いや。別に可愛けどさ……もっとメインマスコットとかじゃなくていいの?」
「確か……不人気のあまり存在が消されかけてるハピネスワールドのマスコット」
「え、そうなの!?あ〜、でも…うん、あのクマにする!何か……呼ばれてる気がするんだよね!」
「なんだそりゃ……!」
「お姉ちゃん、私が撮ろっか?」
「え?いいの!?」
と、マスコット達と戯れていると。さっきがぶ飲みしたお茶のせいで尿意が催してきた…
「あ、私トイレ行ってくるね〜!」
「あ、まじ?私ら先にお土産見てるから来てね~」
「お姉ちゃん、待っとこうか?」
「どっちがお姉ちゃんやねん!!」
「も〜!私がお姉ちゃんですぅぅ、大丈夫、百合樺は先行ってて!」
「うん、分かった!迷わないでくるんだよ」
「はーい」
「__ふぅ、スッキリしたー!早く戻ろーっと」
うわ、あの人綺麗…てか変わってるなぁ。チャイナ服で丸いサングラス。身長も高!モデルさんかなんか?
見惚れていると、チャイナ服を着た美人さんが何かを落とした。
ん?なんだろこれ……部品?
私はそっと拾うとチャイナ服を着た美人さんに渡そうとドキマギしながら声をかけた
「すみません〜!これ落としませんでしたか?」
私は部品?のようなものを見せるとチャイナ服を着た美人さんはぱぁっと綺麗な顔を綻ばせて凄く笑顔で
「わぁっ、ありがとうネ!私コレなくて困ってタヨ…アナタ、恩人ネ。…お礼させてホシイネ!」
「え!?いえいえ、そんなそんな…お礼だなんて…」
外国の人かな?すこし日本語がカタコトだ。これがギャップ萌え…?
「あ〜…じゃあ、もしまた会えたらそういう運名って事で、お礼してくれますか?」
「もちろんネ!その時ハ、なんでもスるアルヨー!」
「あはは、何でもはアレですけど…あ、私はこれで!」
「マタネアルヨー!」
ブンブンと大きく振るチャイナ服を着た美人さん…ギャップの塊だなぁ…
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まさか、この時はあんな事になってしまうなんて知らなかったんだ。