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45エカチェとバラト達はその後【完結】

ここは王子バラトと王女エカチェリーナの住む土地。


ヒノメールのいた祖国でもある。


その祖国では王子妃夫妻が今日も珍しくなくなった言い合いをしていた。


「貴様のせいで優勝できなかった!」


怒声が響く。


「ひどい!バラト様っ」


責めるのは王子。


「何がひどいものか。お前のせいで台無しだ」


責められているのは王女。


「台無しではありませんわ。バラト様が不甲斐ないせいですわ」


現在は王子妃である。


「何だと!」


バラトたちはヒノメールが国から去っていき、トラブルを解決できなかった時期から、口喧嘩をし始めた。


「バラト様が全て悪いのです」


エカチェリーナも自己評価が高い王女なので、言い返す。


「エカチェリーナ、いい加減にしろ」


男は今や、言い返してくる女に苛立っていた。


「二位ですら、ないではありませんか」


エカチェリーナの物言いは、王子の王族としてのプライドを刺激するものばかり。


「お前がモタモタしているからだ」


モタモタしてないエカチェリーナは、求められるものの理想が急に出てきたことに、文句を紡ぐ。


「そちらが夫婦を交換しようなどと、時間を無駄にしたせいですわ」


王子が女に対して、鼻の下を伸ばした事を察しているらしかった。


「言わせておけば」


王女こそ男、優勝した夫婦の夫に色目を使っていて、みっともないと恥ずかしく思っていた。


「あなたのせいです」


王女は王子をもう、かっこいいと思わなくなっていた。


「貴様が悪い。女のくせに、口答えをするな」


「妻に向かって。男の甲斐がいせいがないからと知られてしまったので、誤魔化してますわ」


バラトはその言葉に男のプライドを刺激され頬を打つ。


──バシ


「きゃああ!」


打たれた頬を手に、エカチェリーナは近くにあったピカピカのツボをバラトの胸に向かって、振り下ろした。


「なにをしますの!」


打撃を受けた王子は倒れ込む。


「ぐわあああっ」


二度目の殴打をしようとしたエカチェリーナをメイドや執事達が、押さえつける。


「離しなさいっ」


平民がと、王女は身体を何度も抜け出させようとする。


暴れる王子妃に王子が命令する。


胸が痛く抑えていた。


「ぐう!その、女を!牢へっ」


恨みも込めて命ずるが。


「私の国が許さなくてよ!」


王子バラトはその発言に苦い顔をして、言葉を止めた。


バラトの国が王女を娶ることで、責任を取った。


黙って王女と逢瀬をして、それを原因にした戦いも起こったことで周辺国から、冷たい視線に今現在国ごと晒されていた。


国が勝手な恋や愛で乱された事件は他国からすれば、異常扱いされるのは当然だ。


そのせいで孤立している。


「このっ、忌々しいっ」


バラトは歯軋りを何度もさせ、相手を睨みつける。


それにエカチェリーナは冷めた目で王子を見下す。


「忌々しいのはこちらですの。私の頬を叩くなんて、抗議しますからっ」


王子もツボで殴打されたのに、一方的に責められて拳がぶるぶる震える。


「エカチェリーナぁああ!」


バラトが王女に襲いかかる。


「いやあああっ!痛い!痛いっ」


髪を引っ張り、何度も片手で過去に王女の柔らかな肌と褒めていた部分を殴打。


「おやめください!王子!」


使用人らは強く抑え込めない。


相手は身分の上の王族。


「王子を抑えろ!」


しかし、そんなことは配慮している場合ではない。


周りに押さえられていたエカチェリーナは顔に傷を作り、王子も主従らに抑え込まれ、少なくない傷を増やす。


お互いの関係がまた一段、悪化したのは言うまでもない。












歓迎会が終わって、夜。


テーブルにあるものを片付けてキッチンにある机で寛いでいるとノイスも飲み物を飲みに来たらしく、キッチンへきた。


「疲れただろ。旅行から帰ってすぐにパーティになって」


「心地の良い疲れで、ぐっすり眠れます」


「嬉しそうだ」


「ノイスさんも、私のことをわかってきましたね」


「おれはよく周りを見るからな。癖だ癖」


コップのふちを撫で付けて、ヒノメールは余韻に浸る。


「タカノツメ傭兵団のいる街もとてもいい人たちが多くて、離れられなくなりました」


「故郷になったんだな」


「ええ」


ノイスは犬歯がちらりと見える顔で目を合わせると、ヒノメールの指にハマる指輪を触って、そのまま手を重ねる。


「の、ノイスさん。手が……」


言葉を乱しながら、指摘しても彼は無言で手を触れさせ続けている。


「嫌なら手を抜けばいい」


沈黙をやめたと思えばそう言われて、胸の音が静かに響く。


少しずつ、彼のことがわかるようなわからないような状態を進んだり。


少し後ろになったりするのは、彼の不思議な雰囲気のせいか。


「ゆっくり休め」


何も言えずにされるがままになっていると、彼の方から先に立ち上がっておやすみをいう。


「えっ、えっ?」


(行くの……?)


辛うじておやすみと言えたヒノメールの今の気持ちを彼に見せて、同じように動揺させたくなった。

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