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ミトロジア  作者: ビタードール
一部】二章『愛を知らない神様』
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第36話【エンヴィー】その1

 ジャックからは、戦いの全てが見えていた。放たれた太陽は、カーマと一緒にエンヴィーを挟み撃ちにしている。だが、そんなことエンヴィーとて理解している。振り回される棍棒は、魔法もカーマも吹き飛ばせる射程を持っている。当然、挟み撃ちなんてお構いないしに両方を吹き飛ばした。


「なっ」

「ウェザー.クラウン」


 しかし、棍棒に当たった瞬間、カーマの体は白い雲になって棍棒を透かした。これには、ジャックも驚いて目を丸くしてる。


「あれは!ゼウスの透過!攻撃も何もかも触れることの出来ない状態にできる魔法!カーマも使えるのか……あんな上位魔法を」


 カーマの体は、棍棒を透けてエンヴィーの懐へ潜った。だが、カーマに合わせたようにエンヴィーも闇になって透ける体になってしまう。


「あれじゃエンヴィーにも物理攻撃が効かない!」


 ジャックの言う通り、お互いに物理攻撃が効かない。しかし、カーマが放っていた太陽がエンヴィーの背に刺さった。


「がはっ!?」

「あの太陽、光魔法の類か。カーマのやつ、俺の光魔法が奴の闇化に当たることを確認した上での攻撃をしやがった」

「まだだ。ウェザー.サン」


 カーマは畳み掛けるように魔法を放つ。しかし、エンヴィーはすかさず距離を取り、少し離れた場所で闇化を解除する。それを見て、カーマも透過を解除した。


「勝てる。カーマには透過能力がある。あれを攻略するには音での攻撃しかない。しかし、エンヴィーはそれを知らないはず……例え知ってても都合よく音魔法を使えるものか」


 そう思ったジャックだが、エンヴィーが状況と真反対な表情を浮かべたことで違和感を覚える。エンヴィーの表情は、余裕そのもので、カーマを見え透いているような目付きだ。


「どうした?来ないのか?」

「お前こそ、来ないのかよ」

「くくっ、お望み通り」


 次に仕掛けたのはエンヴィーだ。棍棒を片手に、一瞬の隙をも与えない攻撃を見せる。そのせいか、カーマも先程より避けるのに精一杯だ。しかし、それがジャックにとって違和感だ。


「なぜ透過を使わないんだ。余裕こいてるようには見えない……寧ろピンチなはずなのに。ゼウスの透過はどれだけ使っても余り魔力を使わない。それに、時間制限もないはず。躊躇する理由がないはず」


 ジャックの疑問の答え。それをいち早く勘付いたのはエンヴィーだった。強気なエンヴィーは、何の警戒もなしに構わず棍棒を振り撒くる。そしてとうとう、棍棒がカーマにヒットした。


「がはっ!」

「ふんっ、ほざいてた割には大したことないな。今まで出会った才があるちょっと強い程度の神と同じ。その程度ではこのエンヴィーを止めることできぬ」


 棍棒によるダメージは想像以上だった。刀などで斬られるよりよっぽど染みるものがある。たった一発でも、肉が抉れて体全体を襲うダメージだ。どんなに根性があろうと、これではすぐに立つことは出来ない。


「やばい。あのままだと死ぬぞ。せめて透過を使うんだ。なぜ使わな……はっ!」


 ジャックも勘付いたようだ。疑問の答えが今のカーマを見れば大体分かる。


「使わないんじゃなくて、使えないのか?何かしらのデメリットがあるんだ。つまり、ゼウスの透過とはまた少し別物なんだ。あそこまで何でもありって訳じゃない。そう言うことなのか?だとしたら本当にやばい。助けに……行くか?」


 そのことにエンヴィーは既に気が付いていた。当然、ゼウスの透過の話は知ってるし、その上でカーマの透過を分析していたのだ。


「体内で魔力の乱れが見える。恐らく、透過には膨大な魔力が居るんだろ?全知全能のゼウスと同じ透過でも、熟練度や適正度が違う。当然のことさ。俺が無理して光魔法を使うようなもの」

「くっ……気付いてやがった……か……」


 絶体絶命だ。エンヴィーの攻撃は、カーマと違って状況を一転させてしまうような大技だ。きっと、これまでもそうやって勝ち進んできたのだろう。


「カーマ、手伝おうか?」


 カーマの危機を感じたジャックは、クレープを一口齧ってジーッと鋭い目つきを見せる。カーマが死にそうだって言うのに、いつも以上にドライな雰囲気だ。


「いらねえ!手出すな!俺が死んでも手を出すな!これは俺の復讐だ!」

「……分かった」


 余程横槍を入れられたくないのだろう。血を吐きながらも立ち上がり、エンヴィーが振り下ろした棍棒を真正面から受けようとする。エンヴィーもそれに呆れた表情をし、鼻で笑って棍棒を振り落とした。


「ふんっ、使わない方が楽にいけたのに」


 棍棒が当たった瞬間、カーマの体は雲になってエンヴィーを取り囲んだ。それ合わせてエンヴィーも魔法陣から放った闇で雲状態のカーマを吹き飛ばす。おかげで、カーマとエンヴィーに広々とした距離ができた。


「ウェザー.サンダー」


 カーマはそれを見逃さない。距離ができたと同時に、雲状態の手から雷を放ち、エンヴィーの胸を貫いた。音よりも早い雷は、エンヴィーが避けれるスピードと距離ではなかった。


「がはっ!」

「まだだ」


 その雷は物質に変化し、そのままエンヴィーの体を持ち上げて上空へと投げた。その上空に待っていたのは、カーマが配置していた雲だ。


「雲?また何かする……なっ?」


 攻撃を警戒したエンヴィーは、すかさず体を闇化する。だが、待ち構えていた雲から隠れていた太陽が姿を表し、エンヴィーの顔面目掛けて飛んで行く。下からは雷に押され、上からは巨大な太陽が落ちてくる。避けることは出来ない。


「神器……暗産霊あんむすび


 だが、エンヴィーは不安定な状態で神器を構え、それを巨大な太陽目掛けて振るう。


「バカめ。いくらその棍棒がでかいとは言え、棍棒の比にならない大きさの太陽をどうにかできる訳ない。最後の悪足掻きだな?エンヴィー」


 カーマはそう言って勝ちを確信していたが、遠くから見ているジャックにはハッキリ見えていた。カーマよりも勝ちを確信しているエンヴィーの表情が。


「最後の悪足掻きって顔じゃない……何かするぞカーマ!油断するな!」

「あ?油断してねえ。一応警戒はしているさ。それでもだ……圧倒的に俺の優位だ」


 雷の威力と速さが上げる。しかし、エンヴィーが振るった棍棒は一瞬とてつもなく大きくなり、上空の太陽を野球の如く叩き返す。それも、太陽を叩き返した方向はカーマの居る下の方だ。


「バカな!?お城一つの大きさの太陽より更に大きくなるなんて!それを振り回すなんてあり得ない!鬼の血でも引いているのか!はっ!?まずい!」


 太陽は、物質化してる雷をもチリにし、下のカーマの方へと向かって行った。当然、近くに居たエンヴィーの右半身が焼けてしまうが、太陽そのものは退けた。


「ちっ!ウェザー.サン、解除」


 カーマが魔法を解除したと同時に、上空の太陽が消えた。


「それを待ってた」


 しかし、同時に棍棒を重りにして物凄いスピードでエンヴィーが落ちて来て、カーマのすぐ目の前まで来た。


「なっ!」


 カーマからしたら突然視界に現れた恐怖だ。すぐに対応は出来ない。当然、振り下ろされた棍棒を喰らい、体の骨や内臓がクシャリと潰れてしまう。


「くっ」


 その状態でも、背中に雲を出し、雲に乗ったままエンヴィーから逃げる。当然、エンヴィーが追いかけてくるが、雲の周りには八つの太陽が浮いており、盾となってくれている。エンヴィーも迂闊に近寄れはしない。


「あっ……ああああ!どうなって……る?俺の……体、違和感……感覚が変だ……」


 カーマは意識を保ち、逃げるので精一杯だ。不自然に曲がった腕、抉れた腹、潰れた足、切れた目、生きてる感覚がしないのだ。


「クソっ。俺が魔法を解除するのを確信してやがった。もし俺が魔法を解除してなければ奴は太陽に突っ込んで死んでいた。奴との賭けに負けた……だが!だがしかし!まだ死んでねえ!終わってない!ウェザ.クラウン……」


 ボロ雑巾のようなカーマの体は、雲状態になって体の状態を元に戻す。潰れた内臓や折れた骨は治らないが、折れ曲がった腕や潰れてる体がまだマシな状態へと戻った。


「はあ。地獄を見せてやるぞエンヴィー。お前も右半身は重症だ。これはピンチではなくチャンス……今攻めなければ俺に未来はやって来ない。幸いまだ魔力がある。残りの魔力で……とっておきを見せてくれる」


 カーマがエンヴィーに向けて手をかざすと、付近の空気が静かに蠢いた。そして、その全てがエンヴィーを中心にして激しく動き始める。


「ウェザー.トルネード」


 エンヴィーを襲ったのは、巨大台風の魔法だ。エンヴィーの巨体も、更に重そうな棍棒も意図もたやすく吹き飛ばされ、台風に振り回される。だが、エンヴィーもタダではやられない。

 体を闇に変え、気体になって台風から脱出する気だ。


「させるか。ウェザー.サン」


 しかし、カーマの太陽から光線のように放たれる光がそれを阻止している。台風に振り回されながら、遠くから太陽の光で攻撃される。エンヴィーはもう逃れられない!


「ダーク.ウェソルト」


 当然、そんなことはなかった。エンヴィーは体から放った闇を台風の外側に設置し、闇を使って台風を包み込んだ。これでは、カーマからエンヴィーの状態が見えない。


「ちっ。考えたな」

「ダーク.トルネード」


 更に、台風を真似るように闇が渦を巻き始めた。これには、ジャックもカーマも困惑している。


「何やってる?俺の台風の手助けでもしてんのか?」

「そんな訳あるか。あの行為が無意味な訳ない」


 ジャックの言う通り、エンヴィーは策があって台風のように闇を操っている。そして、その渦の方向も意図的だ。


「はっ!逆回転!渦の方向が逆回転だ!俺の台風と逆方向に円を描いている!」

「そうか。奴の狙いは……」


 二人が謎に気付いた時、台風はピタリと止まった。そう、闇は台風と逆回転をすることで、台風の回転を止めていたのだ。


「回転を止められた」

「おい、止まらないぞ」


 それどころか、闇の台風はそのまま回転し、再び台風を起こす。エンヴィーを運びながら、台風を起こして雲に乗るカーマに近付いている。


「そのまま攻撃してくる気か」

「さぁ、お前の番だ」

いつもミトロジアを読んでくれてる皆様、ありがとうございます。

今日から日記感覚で、毎日後書きに何かしら書いていきます。さて、いつまで続けれるのでしょうか...三日坊主にならないことを祈ります。


最初なので、しばらく小説や物語の話をしましょう。

この作品は、私が一生をかけて書いていこうと思っている大作にするつもりです。

誰にも見られない恐怖でいっぱいですが、完成させてから恐怖することにしました。

今一章の2部ですが、いかがでしょうか?

1部と繋がりがあるものの、キャラやストーリーが入れ替わり、別の話ですね。

1部序盤は、アマノとの出会いから世界観や物語の方向性を確率。その後、希石団という悪役が現れ、それらを倒すのが大まかな物語になりました。

2部は最初からそれですね。

ラースというボスポジションが現れ、物語が単純に進んでいます。

そう、ミトロジアの話は、ドラゴンボール形式です。

一章ごとにボス格が現れ、そいつらを倒していくのが大体の物語です。

けど、私が今書いてるのはあくまでも小説。

2部での失敗があるなら、バトルシーンが多すぎることです。失敗という失敗じゃないかもしれませんが、もっと上手く描けたと思います。

漫画ならそれで良いのですが、小説は文字で人々を楽しませないといけない。

だがら必要になってくるのは、驚くような展開や心動かされるストーリーだと思うんです。

バトルシーンがメインになるのは悪いことではないですが、多くの読者は望んでないような気がします。

私の前作「離愁のベゼ」という作品がありますが、小説としてはとても上手く書けたました。

その作品を自分なりに分析するなら、バトルシーンはあくまでも盛り上がりであり、展開が面白く驚きのある作品です。

ミトロジアはボスを倒すのが目的になってくる物語ですが、そういう小説らしさを少しでも加えれるようにしたいな〜って思ってるんです。

部ごとに反省を生かして書いて行けるよう、また頑張ろうと思って今3部を書いてます。


ちょっと書こうと思ったら、後書き長くなり過ぎました。もう明日には書くことないかも...

なんて嘘です。そんな訳ありません。

私の考え、伝えたいこと、思ってること、いっぱいあります。これからも、少しでも私の頭の中を見せれたらいいです。

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