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第74話.君のためのオシャレ

 どうにかこうにか、俺達は真夏の太陽の日に照らされながらも駅に着くことが出来た。


「なんで夏って暑いんだろーね」

「さぁ?太陽が真上にあるからじゃないのか?」

「なのかな?」


 そんな会話をしていると、隣から(うつみ)がに割り込んでくる。


「そんな事より!有理さん達とはどこで合流するの?」

「一応住吉駅の中にある、六甲ライナーの改札前集合にしてるけど」

「ありがと」


 (うつみ)は礼を言うとすぐにスマホを開き、ぺちぺちと画面をタップし始めた。


(最近の若い子ってすぐにスマホを開くよな。まあ、俺もだいぶ若いんだけど)


「ねぇねぇ」


 (うつみ)との会話で少しの間放っておかれた空宮が、俺の服の端をクイクイっと引っ張ってきた。


「どうした?」


 そう聞くと空宮は少しだけ頬を赤くしながら口を開く。


「今更なんだけどさ、今日の私の服どうかな?」


 空宮の服装は、夏の暑さを感じさせにくい白基調の服。肩は大胆にも露出させており、顔の幼さとは反対にどこか大人っぽさも感じさせるコーデ。そして、髪型はいつも通り、活発な空宮にさらに元気をプラスするポニーテール。

 まぁ、一言でいえば、


「似合ってるんじゃないのか?別におかしいとこもないし。可愛いと思うぞ」

「そ、そうかな?えへへっ」


 空宮は先程よりも顔を赤らめ、そして顔には笑みを浮かべながらそう言った。


(顔をそんなに赤くするくらいなら聞かなけりゃいいのに。聞いても(うつみ)とかに聞けば、万事解決な気もするんだけどな)


 そう思いながらも、特にその事については口出しをせずに電車を待つ。


「あ、来たよー」


 (うつみ)の声で俺達は電車が来た事を確認すると、早速乗り込んだ。


「まぁ、言っても一駅だしね。電車に乗ってる時間はそこまで長くないよ」

「だな」

「むしろ、六甲ライナーの方が長い」

「六甲ライナーってなんだか乗ってるとワクワクしない?」


(確かに六甲ライナーってなんか近未来って感じがして俺も意外と好き。海の上を通る時なんて、1人でテンション爆アゲなんだよなぁ)


「次は住吉ー住吉です」

「あ、もう着いたみたい。やっぱり早いね」

「だよねー。もう少しゆっくりできるかと思ってたけど、そんなことはなかったよ」


 その会話の流れのまま電車を降りて駅のホームに立つ。


「よしっ、ひとまず改札を出ようか」


 (うつみ)がそう言ったのを皮切りに俺達は各々のペースで歩き始める。

 階段をのぼり、ICOCAをピッと改札機に当てて出るとすぐに六甲ライナーの改札の方へと向かった。


「あ、刻くん達だー!」

「ん?あぁ、よお」


 俺は名前を呼ぶ声のする方を向く。するとそこに居たのは、京都の時と同じキャップを被り、三色の色が特徴的なカットソーとジーンズのショートパンツを履いた凛と、薄いベージュ基調の服と紺色の膝丈程のスカートを履いて珍しく髪の毛をハーフアップにした華山だった。

 どちらもオシャレさんだこと。


「おはようございます鏡坂くん」

「おう、おはよう」


 華山は学校だろうが外だろうが礼儀の正しさは変わらない。

 いや、まぁそれでいいんだけどね?別に礼儀正しくて悪いことなんてないだろうし。


「さてと、みんな揃った事だし早速行きましょー!」

「そうだね」

「行こっか」

「そうしましょう」


 (うつみ)のその一言で俺達はまた歩き始める。改札をぬけ今度は六甲ライナーの駅のホームへ。

 こちらのホームは電車とは違い、人が直接外に出るということは無い。なのでそこまで暑くもなく、電車を待っている時に比べれば幾分か涼しい。


「モノレールって、僕向こうにいた時も日本に帰ってきてからも初めて乗るよ」


 隣にいる凛がそう言う。


「そうなのか?」

「うん。向こうでもそこまで電車とか使わなかったしね。基本ママが運転してくれる車で移動してたよ」

「へー」


 親が車出して運転してくれるっていいよね。


「じゃあ、初モノレールってわけだ!」

「そういう事になるね〜」


 空宮と凛は仲睦まじく、初だのモノだのレールだのと楽しそうに会話している。そして、前を見ればこの前仲良くなった(うつみ)と華山も楽しそうに、水族館の時の話に花を咲かせている。


(つまるところ、俺は今1人ぼっちです。いやまぁね?そりゃ女子4人に対して男1人だったらこういう事にもなるよ)


 そう思いながらも、暇を持て余しているので何となく降りる駅をがどこなのか確認する。


(えっと、マリンパーク駅で降りるのね。というか、ここが一番端の駅ということは、それなりの時間乗ることになるのか)


「刻兄?そんなに画面近づけてみたら目が悪くなるよ?」


 (うつみ)のその声で、自分がすごく画面に目を近づけていた事を自覚した。


「あ、ああ、すまん」

「いや、分かればいいんだけどね?」


 (うつみ)はやれやれと言わんばかりに首を振る。


「確かに、たまに刻って気づいたら一点を集中して見てたりすることあるよね」

「うんうん」


 (うつみ)と空宮は「あるある」と言いながら、頷いていた。

 少し自分の行動に驚きながらも、それがプールで起きない事を祈った。

 もしそうなった時に目線の先にいたのが女の子だったら、完全に変態だと言われてしまうからな。


第74話終わりましたね。僕自身あまり服については詳しくなくて、もちろん女の子のファッションなんて分かるわけがありません。ので、今回凛たちが来ていた服に関しては、ネットを参考にしました!それでも難しいファッション!だから楽しいんだろうけどね。

さてと、次回は18日です。お楽しみに!

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