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【完結】普通の男子高校生である俺の日常は、どうやら美少女が絶対につきものらしいです。〜どうやら現実は思ったよりも俺に優しいようでした〜  作者: サチ
夏休み編

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第69話.お土産

 イルカショーのプログラムが一通り終わり、俺達は会場を出た。周りのお客さんも当然、俺達と同様にぞろぞろと会場から出ていく。


「ふぃー、やっぱりイルカショーは最高だねぇ」


 隣で(うつみ)はぐぐっと上に手を伸ばしながらそう言う。


「そうだな。それに何か最後感動的な終わり方したしな」

「それね。何だっけ?ここの水族館が民間のものに変わるから建物の建て替えかなんかで、数年間入れなくなるんだよね?」

「そうそう。それで入れなくなるまでの最後のイルカショーです、ってやつ」

「何かこう少しうるって来たよね」


 しみじみそう思いながら歩みを進めた。



✲✲✲



 大水槽でサメを見て、クラゲを見て、ペンギンを見て、イルカを見て、その後はラッコとかふれあい広場に行って、そうしていると、気づけば時計の短い針は数字の6を指していた。俺達がここに来たのが昼過ぎだったから、大体6時間ぐらいここで過ごした事になる。


「もうこんな時間か」


 園内にある時計を見てそう言うと、華山達もすぐにそれに反応する。


「本当ですね」

「ええっ!?もうこんなに経ってたの!?全然気づかなかったよ」


 (うつみ)はひたすら驚きしかないと言った様子だ。


(まぁ、確かに気づいてなくても仕方がなかったと思うけど。ずっと水槽にへばりついてたし、なんなら丁寧に魚の説明が書いてあるプレート全部読んでたからな)


「もうそろそろ帰るか」


 そう言うと、華山もその意見に賛成なようで、こくりと首肯する。だが、(うつみ)は少しだけ心残りがあるような素振りを見せて、なかなか賛成しようとはしない。


「あと30分だけでいいからもう少し残ろうよー!」

「30分で何するんだよ」


 なかなか賛成してくれない(うつみ)に俺はそう問うた。


(実際もう魚達に関してはかなり詳しく見たしな。見逃したところも無いはずだし、イルカショーに関しては(うつみ)のやつは二回見てるし)


 俺自身では特に心残りというものが無く、なぜ(うつみ)がこう頑なにもまだ帰りたくないと言い張るのかが、分からない。

 そう思っていると、(うつみ)は腕を組みながら喋り始めた。


「まず聞こうじゃないか刻兄。30分でこの園内を全部回ることは出来る?」


 (うつみ)にそう聞かれて俺は簡単に答えた。


「まぁ無理だろうな。本気で歩けば四分の一か半分ぐらいなら行けるかもしれないが、それでもほとんど見れない。それに魚をすごい速いペースで見ていくことに意味を感じないしな」


 そう言うと(うつみ)は大きく頷いた。


「そう、その通り」

「その通りなら帰ろうぜ?」


 そう言うと、(うつみ)が手で俺を「まぁ待て」と言わんばかりに制したきた。


「30分で回るのがキツイってだけであって、一箇所に留まる分には全然余裕があるよね?」

「そうだけど。え、何?もしかして一種類の魚を見続ける感じ?」

「違うよ〜。まぁいいからさ有理さんと刻兄、着いてきてっ」


 (うつみ)はそう言って俺たちの手を引っ張って言った。



✲✲✲



「で、ここは?」

「んふふ〜、ここはね、見ての通りお土産屋さんだよ!」


 店の前には大きな透明の球体があり、その中で風によって飛ばされたくじが沢山ある。隣にはピンクと水色のイルカの大小大きさの違うものがあるところからして、これが景品なのだろう。そして店内の奥を見ればトートバックだったり、魚の形を模したお菓子に、キーホルダー、ぬいぐるみなんかも大量に置いてある。


「それでここで何するんだ?」


 俺は(うつみ)にそう聞いた。


(いや、聞いといてなんだがなんとなく返ってくる返事は分かっている。と言うか、これ以外の答えが返ってきたら少し怖いくらいだ)


 (うつみ)は俺の言葉に少し呆れを感じたのか、わざとらしくため息を吐きながら話し始めてくれる。


「はぁ……お土産屋さんに来たんだから、お土産買うに決まってるでしょ」


(ほらね、俺の予想大正解)


 俺達はそう言うと店の中に入っていった。


「ほぉ、このペンギンのイラストがプリントされたマグカップ可愛いじゃないですか〜」


 店に入ると同時に(うつみ)の可愛いものレーダーが反応したのか、店内の奥の方にある雑貨コーナーに一直線に(うつみ)は歩いていった。


「こっちのトートバックも可愛いですよ!」


 華山も華山で可愛いものを見つけたらしく、女子同士でキャッキャ言いながら盛り上がっている。


(楽しそうでなによりだこと)


 俺はそんなふたりを横目に見ながら、何となくぬいぐるみの置いてあるコーナーに足を運んだ。そこにはたくさんの種類の海の動物のぬいぐるみが置いてあり、それがやたらと可愛い。


「何このアザラシ。すごく柔らかい上に可愛いって、無敵かよ」


 俺は目の前にあったアザラシのぬいぐるみを手に取りがらそう言った。


「本当ですね」


 俺がぬいぐるみを鑑賞していると、急に耳元で声がした。


「うおっ!?」

「あっ、ごめんなさい!驚かせちゃいましたか?」


 隣にいたのは先程まで(うつみ)と一緒にいた華山。手にはこのお店の紙袋に入ったトートバックがある。どうやら購入したらしい。


「あ、いや、すまん。少しオーバーにリアクションした。驚きはしたけどそこまでだから気にしないでくれ」


 俺がそう言うと華山はほっと胸をなでおろす。


「なら、良かったです」


 華山は少しだけ微笑みながらそう言った。

 イルカショーの時に見せた無邪気な笑顔とは違ういつもの華山の笑顔。それをどちらも見れたことに少し優越感を抱きながら、俺はぬいぐるみを棚に戻す。

 気が付けば30分経った。もうそろそろ帰宅だ。


第69話終わりましたね。実際にお土産屋さんにも行きましたけど、本当に可愛いぬいぐるみとか、マグカップとか売ってたんですよ。マグカップに関しては買おうかどうしようかと、検討もしました。結局買いませんでしたけどね。

さてと次回は8日です。お楽しみに!

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