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第67話.イルカ

「イルカショーが、はっじまーるよ〜♪」


 (うつみ)は、気分ルンルンで今にもスキップしだしそうなテンションでそう言いながら歩く。そして、俺と華山はそんな(うつみ)の後ろをのんびり歩きながら着いて行った。

 隣にいる華山は日焼けをしないように、白に黒のボーダーの入ったオシャレな日傘をさしている。


「今日は本当に暑いですね」

「そうだな」


 いつも通り部活で喋っている時と同じような感じで話す。それは外でも決して変わることはない。だけど(うつみ)にとってはそれが少し違和感に感じたようで、後ろ向きで歩きながら、俺達に話しかけてきた。


「刻兄と有理さんの会話ってなんか熟年夫婦みたいですね」

「熟年?」

「ふ、夫婦!?」


 俺は単純に(うつみ)の言葉を疑問に思い、華山は耳と頬を真っ赤に染めた。


「そうだよ!ほら、例えるならあれだよ。名前呼ばなくても意思疎通出来るあの感じ?かな」

「あぁ、お前とか、あなたとかのあれか」

「そうそう、それそれっ!」


 (うつみ)はそう言うとビシッと俺達に向かって指をさした。

 華山は相変わらず顔を赤くしたまま日傘で隠れようとしている。


「有理さん別に照れなくてもいいじゃないですか〜」

「そ、そんな事出来ませんっ!だ、だってふ、夫婦ですよ?」

「いやまぁ、それは言葉の綾と言いますかね?それに刻兄って、別に素材とか自体は悪くないと思うんですけどね〜。今ならお買い得ですよ!」

「おい(うつみ)、俺をまるで売れ残った商品見たく紹介するんじゃねぇよ」


 そう言うと「ふっ」と(うつみ)は鼻で笑って口を開いた。


「刻兄、君は売れ残った商品そのものなんだよ?だから私が今のうちから美人さんに売り込んでおかないと、後々苦労するのは私なんだからね。刻兄の介護とか嫌だよ?」

「え、俺そんなにやばいの?」

「うん」


 真面目な顔をした(うつみ)にそう言われてしまった。

 少し気分を落ち込ませながら、そのまま(うつみ)の相手をしていた。


(というか、あれ?華山のさっきから喋ってないですけど大丈夫?)


 俺は気になって隣で日傘をさしている華山の方を見た。


「美人さん……私が?お姉ちゃんなら分かるけど、私は普通の顔だし……」


 華山はなんかブツブツ一人で呟いていました。この子今自分は普通の顔とかおっしゃいましまね。華山がそんな事言ってたら世の中の女の子、皆平凡以下になっちゃうんだよなぁ。



✲✲✲



 俺達はイルカショーが行われる会場に入ると、できる限り日陰の多い席に座る。近くにいる他のお客さんはほとんどが家族連れ。まぁ、確かにイルカは子供が見たら一番喜ぶだろうし。今どきJKの(うつみ)もこれだけはしゃぐ位だし、やはりかわいい動物の持つ力って凄い。


「なぁ(うつみ)

「なぁに?」

「1日に二回も同じの見て飽きないのか?」


 俺は既に今日一度イルカショーを見た(うつみ)にそう聞いた。すると、考える素振りを欠片も見せずに(うつみ)は答えてくれる。


「飽きないよ!というか、飽きる要素がないよ!確かに同じ内容だけどね、それでも少しだけ違うんだよ」

「例えば?」

「ジャンプの高さだったり、お客さん側の盛り上がり方の違いだったり色々」

「なるほど」


(そういう点ではそうなのかもな)


 俺達はそういう会話を続けていると、アナウンスが流れ始める。

 イルカショーの開始を告げるアナウンスが。


「さぁ!お待たせしました!只今よりイルカショーのスタートです!」


 ショーの中心と思われる人がそう言うと、明るく楽しげな音楽がBGMとして流れ始めた。そしてそれと同時に、五頭のイルカが二人の飼育員によって動き始める。

 ショーの開始だ。


第67話終わりましたね。イルカは可愛いですね。アザラシの赤ちゃんも可愛いですけど!

さてと次回は4日です。お楽しみに!

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