第663話.憧れクッカー
ましろの事を抱きかかえながらお昼寝をする刻。先程起きたばかりのような気もするが、2人ともとても気持ちよさそうなので起こすに起こせない。
ソファで寝ているので特に何かを羽織るでもなく、枕を使うでもない。寝心地としてはいいとは言えない環境にも関わらず、こうして熟睡できるのには何か秘訣でもあるのだろうか。ジャングルの奥地にその秘密が隠されているのなら探検しに行かねばと思うところ。
私は寝室からタオルケットを持ってきて被せてあげる。刻の胸とお腹の境の辺りで大福のように丸くなるましろも一緒にタオルケットの中に入った。ポコっと小山が刻の上に出来ているのが面白い。
私は椅子に座りながらスマホをいじいじと触る。今日の晩ご飯をどうしようか。もうすぐ大学も始まるし、授業の取り方次第で私の方が圧倒的に帰るのが遅くなる日もあるだろうし、そこら辺も考えなといけない。
大学かぁ。昔からキラキラとした女性が大学に向かっていくのを憧れの目で見ていた記憶がある。そんな存在に私がなると考えると、なんかこう現実感が湧かない。昔の私が子供だったということもあるだろうが、その年齢に近づくのはやはり不思議なものだ。加えてあと10年もすればお母さんが私を産んだ年にもなるわけだし、意外と早いものだ。
大学当日の必要なものを再確認だけしておくと私はググッと伸びをし、アプリで今日の晩ご飯の案を探す。色んな人がオリジナル料理をあげてくれているので参考になるのだ。
ちなみに私もこっそり上げてたり。意外と人気なんだよ?
星評価の方式を取っているので評価する方もされる方も分かりやすい。人気どころも探しやすいし、何より分かりやすければ感謝の意も込めて星を押すということも出来る。
「お、旅の路さん、また新しいの上げてる」
旅の路さんとは私がフォローしてるクッカーだ。作る料理全てが素晴らしく、栄養重視や、見た目重視、手っ取り早さや、お祝いごと用など様々なパターンに対応した料理を沢山投稿している人だ。私以外にもファンは沢山おり、Twitterにも時折旅の路さんのメニュー参考にして作った!という報告が見られたりする。
今回も旅の路さんのメニューを参考にしようということで必要材料を確認する。
ふむふむ、少しだけ買い足しに行こうか。
刻はまだ寝ているので起こさずに1人で買いに行こうと思う。LINEにメッセージだけ残しておこう。
私は荷物を持つと外に出た。お昼の日差しは優しく肌を撫でる。心地のいい風もあってこのまま散歩していきたい気分だ。
第663話終わりましたね。もうすぐゴールデンウィークですね。えぇ、十連休の人は太平洋に沈めますから挙手しなさい。
さてと次回は、4日です。お楽しみに!
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