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第638話.お目覚めにはこーひーを

 営みというかなんというか。最近は自由登校で朝早く起きる必要もなかったので良く頻繁にしていたのだが、昨日は久しぶりに何もせず就寝した。変に腰が痛いとかそんな事がなく体も動くのでいい感じ。けど、ぐっすり寝たという感覚はやっぱり営みの後の方が大きいかな。

 乱れてないシーツを見ながら久しぶりにこんなにピシッと張られたシーツを見たなぁと思う。いつも起きたらしわくちゃだったから。

 刻が寒くないように布団を掛けてあげて、朝のモーニングコーヒーを入れに向かった。

 刻は大体コーヒー匂いが漂い出すと意識が覚醒しだすらしい。起き上がるのかは別として目は開いていたりするのだ。なので早速コーヒーを入れて寝室の方にカップごと持っていこうという魂胆だ。

 コトコトとポットに入れた水が沸騰して揺れる。私はそれを合図にインスタントの粉にお湯を注ぐのだ。白いカップに黒い液体がどんどんと広がる。そこに魔法の白い液体と粉を入れたら甘く滑らかなコーヒー完成だ。

 湯気の立つカップを二つ手に持ち寝室に向かう。

 ベッドの横にあるスタンドにカップを一つ置いて、私はもう一つを持ちながらベッドの縁に座った。そして窓の外を眺めながらコーヒーを飲む。

 今日も今日とて何でもない平和な一日だなぁとのんびり考えながら飲んでいると、後ろでもぞりもぞりと動く気配がした。


「起きた?」


 首だけ後ろを向きながらそう尋ねる。すると目をしょぼしょぼとさせた刻がむくりと起き上がった。


「おはよ。コーヒーあるよ」

「……あんがと」


 大きくあくびをしながらスタンドにあったコーヒーを手に取る。一口目をしっかり冷ましてから刻はゆっくりと啜るように飲んだ。


「ふぅ……染み渡るぅ」

「お味噌汁みたいな言い方」

「俺にとってはコーヒーは味噌汁と同じ故郷の味だ」

「インスタントなのに?」

「インスタントなのにだ。美味けりゃ何でも故郷なんだよ、きっと」

「ふはっ、故郷の概念ガバガバじゃん」


 笑いながらそんな話をする。

 刻も私の横に腰掛けて2人して外を見ながらコーヒーを飲んだ。なんだか縁側に座るおじいちゃんとおばあちゃんの生活みたいと思わないでもないが、私達はそれ以上にピッチピチの10代だ。若さで舐められちゃ困るね。

 どれくらい経っただろうか。

 熱々だったコーヒーのカップもすっかりと冷たくなり、コーヒーも染みだけを残してすっかり無くなった。手にカップを持ったままなんて事ない話ばかりするのもやはり悪くない。


第638話終わりましたね。作者はバイトに行くのは好きではありませんが、働くの自体は嫌いではなかったりします。あくまでバイト先に行くというその行動が嫌いなだけです。

さてと次回は、15日です。お楽しみに!

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