第637話.ステッカー
刻がパソコンの画面を私と行った花火の時の写真にしていたように、私もパソコンの画面を変える。
こういうところでスマホとパソコンを同じ会社のにしておいた優位性が活かされてくるのだ。
スマホの写真フォルダからパソコンに送りたい写真をピックアップしてワンタップで送る。そうすると1秒とせずにパソコンのフォルダにデータがダウンロードされた。
設定の画面を開きフォルダから使いたい写真を選んで色々と調整すればほら簡単。刻の寝顔がパソコンいっぱいに表示される。
「ねぇ、刻見てー」
パソコンの画面を開きながら刻の方に向けて見せる。スマホを触って暇つぶしをしていた刻がこちらを見ると同時に目を丸くした。
「なんちゅうもんをホーム画面に設定しとるんですか」
「えへへ〜、いーでしょ〜」
「いや、羨ましくないから。恥ずかしいからっ!」
「えー、そうかなぁ?私は可愛いと思うんだけど」
「俺は恥ずかしいよ……誰かに見られたらどうすんのさ」
「んぇ?自慢するけど」
「何を!?」
「彼氏可愛いでしょー!って」
「せ、せめてかっこいいでしょー!の方が嬉しいなぁ……」
「んぇー、可愛いからいいのになぁ」
ぶーと不満げに唇を尖らせながら私は抗議の意を評す。けれど刻はやはり恥ずかしいようだ。
まぁ、といってもこのパソコンは私のものだ。私の独断で簡単に背景は変えられるし、いいもんねー!
バレなければセーフという事で、このまま使い続けることを密かに違う。
ともあれ大分私好みのスタイルになってきた。こうしたちょっと事で愛着というのは一段も二段も変わってくる。こういう細かいことこそ力を入れなければ。
この時のためだけに購入しておいた画面を拭くためのクリーナーで画面のホコリを落としながら丁寧に磨く。きらりと反射する画面に満足気に笑いながら私はパタッとパソコンを閉じた。専用のケースにしまいテレビ横の充電スペース付近に置いておく。
「蒼はステッカーとか貼るのか?」
「ステッカー?」
「ほら、外国の人とかオシャレな配信者とかパソコンにステッカーはるイメージあるだろ?可愛くするのなら貼るのかなぁって気になって」
「んー、私は貼らないかなぁ。貼ったらさ剥がれてきた時なんだか嫌だし」
「んー、それもそうか」
「何?刻は貼りたかった?」
「いや、オシャレな彼女さんはどうするのかなぁと思っただけですよ」
「そう?ならいいけど」
ステッカー貼る貼らないはかなり個人によって意見が分かれるところではあるだろう。汚れが目立つ可能性もあるだろうし。けれど同時に可愛さとオシャレさも兼ね備えるという点では確かに悩むものではある。結局は好みなのだ。
第637話終わりましたね。今週の金鯱賞見ましたか!?作者は予想通りバチコンと馬券を的中させました。させましたが、馬券に費やした資金に対して返金が少ないいわゆるトリガミというものをしまして、勝ったのに負けたという一番虚しい状況になっております。けれどご安心を。作者は馬券に使うお金は基本負ける前提で用意しているので実質プラスです。えぇ、プラスです。
さてと次回は、13日です。お楽しみに!
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