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第634話.コーヒーマグ

 夏休みが毎日続けばいいのに、そう思ったことはあるだろう。けれど、目的の無い長期休暇というのは案外楽しくないものだ。

 夏休みが楽しいのはたくさんの宿題を終わらせた先にある自由と解放がゆえだろう。しかし、こうして卒業の時を待つこの時間はただ暇なだけだ。宿題も無ければ、勉強からはとっくに解放されているので絶大な開放感もない。友達と頻繁に遊びに行けるほどお金に余裕を持っているわけでもないから比較的インドアな生活になる。

 そりゃバイトはしているので外には出る。買い物もしに行かなければいけないし。けれど基本は家でテレビを見たり掃除をしたり家事をしたり。かなり無為に近い生活をしているのだ。

 そう考えると学校というのは素晴らしい。明確に目的がある上に、友達とも必然的に会えるのだ。今は連絡を取って時間を決めて会わないといけないから少し手間がかかる。難しいものだ。

 ベランダに出て真っ青な空を見た。時々こうして日の光を浴びるようにしてる。そうじゃないとなんだかしおしおに萎れてしまいそうだから。

 心地の良い風に撫でられながら私はマグに入れたコーヒーを一口飲む。しばらくすると刻もコーヒーを入れて私の隣に立った。


「暇だなぁ」

「そうだねぇ」


 なんとなく刻も分かっているのだろう。何もしなくても大丈夫な時期だが、何かしないといけないという根拠の無い焦りに襲われている。

 自分はこの期間何が成せたのか。いや、何も成せていない。そんな感じの焦りだ。

 けれど誰かに何かを強要されている訳ではない以上、こうやっていつもみたく過ごす他ないのだ。


「パソコンでも買いに行こうかな」

「あぁ、大学でいるもんな」

「うん。3月中に買えばいいやと思ってたけど、早いに越したことはないないからさ」

「そうだな。じゃあお昼過ぎから見に行くか」

「うん」


 パソコンと一概に言ってもここで指すのは据え置きではなく持ち運びの出来るノートパソコンの事だ。ネット系のものに詳しくない私はリンゴマークのMacBookくらいしか思い浮かばないけど、きっと種類も沢山あるのだろう。そこは刻に頼るつもり。

 刻は元々パソコンを持っているのでそれを使う予定らしい。USBメモリーでファイルなどを保存すれば大学程度のデータなら何とかなるそうだ。

 ズズーッとコーヒーを最後まで飲みきる。マグの内に残ったコーヒーの染みが時間の経過を感じさせてくる。そろそろ部屋に戻ろうかと中に入り私達はお昼の準備と並行して外に出る準備も始めるのだった。


第634話終わりましたね。最近は梅雨なのですかねと思うほどに雨がよく降ります。雨が降ると花粉が一回落ちてくれるので花粉症の作者としてはありがたいのですが、晴れると落ちた花粉がまた舞い上がるんですよね。一時の休息、やつはまた襲ってくる。

さてと次回は、7日です。お楽しみに!

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