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第617話.ポップコーンはいらない

 私達の見る映画のシアター内は薄暗く明かりが付いていて、座席もチラホラと埋まり始めた頃だった。

 私達は事前に予約していた席に座ると荷物を足元に置いて始まるのを待つ。

 始まるまでの間は近日公開予定の映画の広告や、ミニアニメといったものが流れる。みんなが大好きなカメラ赤ランプの大逃走劇はもう少し後だ。

 映画に集中したいのでポップコーンを買わない派の私と刻はこの予告が流れている時間は基本ぼーっとしていることが多い。こういう時にポップコーンがあれば暇を潰せるのだろうなと思うことはあるのだが、とはいえ高いし荷物にもなるからやっぱり買わないのだ。

 こういう時、私は次に見たい映画を探したりする。邦画でも洋画でも。予告だけ見ていると色んな映画を見ている気分になって、なんだか通になった気にもなるのだ。普段なら絶対に見ない作品でも、見た気になって余計にね。

 ほら、例えばジョーカーで有名なフォアキン・フェニックスの最新作。ナポレオン。普段の私なら絶対に見ることはない。でも、フォアキン・フェニックスを知っているから見てもいいかもなぁなんて思ったりするのだ。でも多分、いや絶対に自分から見ることは無いのだろうけど。

 と、映画館あるあるというか、私あるある?みたいな事をまとめ終えたところで、みんな大好き大逃走劇が始まる。ここまで来ればスタートまでもうすぐだ。

 ちなみに今回見る作品は「淡い声で君は笑う」という作品。この前学校の図書館で原作の小説が置いてあったのは見たが、あれは映画化することが決まっていたから借りたい人もいるだろうという事で置いてあったのだと最近理解した。

 映画の大まかなあらすじは作者井口冬馬の自伝と言ったところか。正確には彼の恋人とのお話だ。

 高校時代を人気者として過ごした冬馬とヒロインであり彼女の新田日和が出会ったのは高校の保健室。いや、出会ったというよりも、明確に相手を認識して一対一で話したのがそこでの話か。彼らは同じクラスの人間なのだからお互いのことは認識していたのだから。

 とまぁ、関わるようになるきっかけは保健室だ。

 そんでもってなんやかんやあってヒロインは病気があると分かる。それが消失病という奇病で、過去にあった症例も全世界で数件のみ。しかももれなく全員短命というおまけ付き。治療方法も見つからない中で過ごす2人のお話というところだ。

 ジャンルとしては泣ける恋愛が正しいだろう。私も映画で全て見てから本に移りたいと思っていたのだが、背表紙だけはちらりと見てきた。そこにあったキャッチフレーズが『終わると分かっている恋。どう終わらせますか?』なんてものだ。泣かせに来ている。

 まぁ、そんなこんなでちょっと気になりすぎて映画に来ちゃった、という感じだ。

 多分家に帰ったらすぐに小説を読み始めるんだろうなぁ、という予感を感じながら暗くなったシアター内でスクリーンを観る。

 私は肘掛の下から隣の席に手を伸ばし刻の手をまさぐった。そして見つけた手のひらをギュッと握って映画鑑賞に臨むのだった。


第617話終わりましたね。今回出てきた「淡い声で君は笑う」ですが、作者普通に現在進行形で書き進めているお話でございます。ただいかんせん書くのが難しいのと、1話あたり5000文字にしているので中々書き進まない。そして完結させてから投稿しようと思っているのでもうしばらく時間がかかりそうなのです。展開も結末も何もかも決まってるんですけどねぇ。そこに至る間のお話が難しいんですこれが。

さてと次回は、2日です。お楽しみに!

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