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第612話.送辞と答辞

 体育館に大量のパイプ椅子が置かれている。

 私達はそれぞれに割り振られた席に座って時間を待つ。

 今は卒業式の練習中だ。受験がまだ終わっていない生徒からは大不評な期間でしかないが、学校としてもこの時期にしておかないと卒業式当日までに間に合わないらしい。

 私達は特に影響が無いのでのんびりと参加しているが、その他のみんなは英単語帳片手に黙々と勉強している。

 出席番号で並んでいるので刻とユウは近いのだが、私と凛は少し離れた位置に座っている。なので喋る相手があまりいない。

 プラプラと足をふらつかせながら私はぼーっと天井を眺めている。

 今は現生徒会長から私達の代への送辞を読んでいる最中。ここに書いてある送辞にどれだけ本心が入っているのか分からないが、けれど大それたものは無いだろう。あくまで3年生全体に対してのものでしかないのだから。部活の先輩とかならまた別のメッセージがでてくるのだろう。

 そういえば江草ちゃん達は最近どうしているだろうか。最近は顔を出していない。というかバイトが忙しくてそうもいかないのだ。凛とユウは行けているらしいのだが、私と刻はまだ行けていないのだ。

 この時期お正月が終わった影響で空っぽの冷蔵庫を埋めたいのか大量買いする人が少なくない。そして映画館も暇な人がこの時期は意外と多いらしいのだ。

 一緒に帰れるからまだ気分としては楽な方だ。けど、早く江草ちゃん達には会いたいものだ。

 とそんな事を考えていれば送辞が終わっている。私達の代の生徒会長からの答辞も終えるとひとまず一つの括りを終えた。



✲✲✲



 体育館から教室に向かう道中。

 俺は凝り固まった背中や首を回したり捻ったりして解していた。体の節々が少し痛むのを感じる。


「なぁ、鏡坂」


 歩いていると後ろから声をかけられた。


「明日の晩とか暇か?」

「明日?暇っちゃ暇だけど」

「ならさ、俺と上木と鏡坂と、あと濱崎で飯行かね?」

「飯?別にいいけど。どこに行くつもりなんだ?」

「想定では焼肉かな。食べ放題の安いとこ」

「ん、分かった」

「よし、じゃあ詳しいことはまた連絡する」


 隣のクラスにいる灯崎は少し離れていた俺に声をかけに来ていたようで、元の場所に戻るために小走りで帰っていった。

 それこそスマホで連絡すればいいものをと思わないでもないが、けれどそれが灯崎と言うやつなのだろう。

 1人そう納得することに決めて俺はまた背中を伸ばすのだった。


第612話終わりましたね。このシーズンは共通テストも終わり、2次試験に向けた時期ですね。作者は指定校でスパッと決まった方なので視点的には蒼達が一番近いわけですが、受験生の人たちには是非とも頑張ってもらいたいものです。

さてと次回は、23日です。お楽しみに!

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