第553話.ご飯会
阪神電車の通る線路のガード下を、煌々と光る自販機のある方に向かって歩く。辺りの光は自販機の他に駅のプラットフォームから見える明かり程度で、その他は非常に暗い。
足元に気を付けながら歩いていくと大きめの道路に出た。自転車も通れるような歩道橋の上を歩きながらふとお城のような見た目をした建物が視界に入る。思わず「わぁ」と虚無のリアクションを取ってしまいながら自分で笑ってしまった。あんな場所に行く機会が訪れるのかは分からないけど、もしあればその時はその時だ。
歩道橋を渡り終えて横断歩道を超えると目的の店が見えてきた。
いわゆる焼肉の食べ放題。今日はPhotoClubの面々でご飯会なのだ。蒼ちゃんを始めとして、江草ちゃんや1年の舞ちゃん達も今回は召集済み。こうやって全員が一堂に会するのは案外久しぶりだったりするのだ。
楽しみだなぁ、なんて呑気に考えながら店の前で他のみんなを待つ。おそらく次に来るのは家が近い蒼ちゃん達か江草ちゃんだろう。その後はまちまちだと思う。
一足お先に店の前で立って待っておく。お店の明かりが僕のコートを照らしていた。店の中からはずっといい匂いが漂って来るのでどうしてもお腹が空いてしまう。
スマホをポチポチと触って遊んでいると、こちらの予想通り最初に蒼ちゃん達がやって来た。2人とも自宅から歩いて来たようで、明かりに照らされる頬は若干運動したことによる熱で赤くなっている。
「凛待った〜?」
「ううん。僕もついさっき着いたとこだよ」
「なら良かった」
そう言いながら蒼ちゃんは僕の腕を取って暖を取り始める。
「凛は体温が高いからねぇ。こうするのが一番」
「じゃあ僕も蒼ちゃんで暖を取っちゃお!」
抱きつき返すような形で僕も蒼ちゃんの腕を取った。刻くんからすれば女の子2人が自分の前でイチャイチャしているだけの図にしか見えないだろう。けれど、PhotoClub内ではしょっちゅうこんな事ばっかりしている。当然メンバーの刻くんはこんなの慣れっこというわけだ。
「仲のいいことで」
楽しそうに笑いながら刻くんは私達にスマホのカメラを向けてパシャリと一枚撮った。
「後で送っといてやる」
「やったー。蒼ちゃんとのイチャイチャツーショットだー!」
「わーい!」
顕著に知能指数の低下が現れつつ、そのままのテンションで続行する。
そんなこんなで10分もすればメンバーは全員集まった。
予約してくれていた刻くんが先にお店に入って、確認を取れたら外で待っていた僕達の事を呼んでくれる。
ぞろぞろと中に入り、ロッカー式の靴箱に靴をしまうと案内された席に着いた。
店員さんから一通りのシステムの説明を受けたら楽しい焼肉のスタートとなる。
第553話終わりましたね。えぇ、言い訳させてもらいますと大学が始まりまして、先週の手術で休んだ分の欠席届等を用意してたら寝落ちたという感じです。遅れて申し訳ないです。
さてと次回は、27日です。お楽しみに!
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