第548話.カフェ巡りデート
家に帰ってからスマホを手に取りLINEを開く。タップするアイコンはもふもふな猫の写真。アイコンの隣には凛と表示されているのだ。
少々吟味してから作ったメッセージを送ると俺はカメラのレンズを拭いて返信が来るのを待つ。
すぐに返信があるとは思っていないので、今日は久しぶりに細かくパーツを分けて手入れするか。
エアジェットとクリーナーを用意し、スマホで音楽を流して作業に勤しむ。こうした作業は時間を忘れて没頭出来るので案外好きだ。時折黙々と作業し過ぎて母親に夕ご飯の準備を手伝えと言われることもある。
さて、俺は既に大学から貰ったスポーツ推薦で進学先が決まっているわけだが、練習はしなくてもいいのか、という話がある。実際、俺と灯崎はどちらも推薦を貰っていて、なおかつ部活を引退したわけではない。一番遅くて1月、つまり春高の時期までは現役だ。けれど、今日は1週間に2回のオフの日なのだ。だからこうしてゆっくりしている。
いい感じに綺麗になってきたカメラを見て気分が良くなっているとスマホが震えた。クリーナーを置いてスマホを手に取る。ホーム画面に映るのは凛さんからの返信。
『いいよ〜。どこ遊び行くっ!?』
やたらとテンションの高そうなメッセージ。思わず笑ってしまいながら行先の内容を書いて返信した。
✲✲✲
ふっと吐く息は白く染って視界が少し霞がかる。
ひんやりと肌寒い空の下待つのは案外好きだ。待ち人が来てくれたらその人の温もりを感じられるからな。それに、それが好きな人であれば尚更。
耳にイヤホンをはめて流れるラジオ。土曜日の午前のラジオは聞いていると気分がいい。早く起きれたという事実と、あとはシンプルにDJの喋りが好きなのだ。
流れる音楽と話される話題を楽しんでいるとトントンと肩を叩かれる。振り向くと茶色のコートに白いマフラーで身を包んだ凛さんが立っていた。白い頬が寒さでほんの少し赤く染っている。
「おまたせ」
「ん、おはよう。それじゃあ、行こうか」
「うん!楽しみだね〜、カフェ巡り!」
そう今日の目的はカフェ巡り。コーヒーを楽しみたい俺と、スイーツを食べるのも作るのも好きな凛さんとの間で条件が合致し決まった行先だ。行き先自体は先に何軒かピックアップしている。散歩も楽しみつつのんびりまったりのお出かけだな。
楽しみな気分が先走らないように心しながら俺達は歩きはじめる。
第548話終わりましたね。そういえば皆さんプロ野球は見ましたか。阪神タイガースが18年ぶりに優勝しましたね。作者は8回の表から見始めたのですが、9回表で坂本選手がホームランを打った時はさすがにヒヤッとしましたね。
さてと次回は、17日です。お楽しみに!
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