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第538話.なんてことのない日

 朝起きて、顔を洗ってご飯を食べて、歯を磨いて制服に着替えて学校に行く。そんななんでもない1日の始まり。

 外は秋の様相を呈し始め、青々しかった木々の葉も、今ではすっかり黄色と赤に染まりきっている。所々でそんな葉による暖色の絨毯も出来上がっていて、私達はそれの上を超えていきながら登校するのだ。

 夏から秋。そして冬にへと向かうこの時期は次第に日が短く、そして気温も段々と下り坂になっていく。三寒四温ではなく、三温四寒と言ったところだ。

 毎朝の天気予報を見る度に最高気温がぐんぐんと下がっていくのを見るのは少し憂鬱だったりする。冷え性な私は冬になると当然いつも以上に体感温度が下がって、なおかつ動きも鈍くなる。加えて女の子の日の痛みが夏の暑い季節に比べてしつこくなるのだ。秋と冬特有のイベントがあるので嫌いなわけではないが、どうしても痛みには堪えるものがある。

 まぁ、今からそんな話をしたって仕方がない。それに、万一体調が悪化しすぎる場合は刻に助けてもらうし、寒さで痛さが増すのなら体を温かくすればいいだけの事。外ではそうもいかないかもしれないが、家であれば刻にお腹を撫でてもらえばいい。

 にしても、今日は秋にしては少し冷える。手が悴むとまではいかないが、少し温もりが欲しいところ。

 チラリと右を見やれば、道路側を歩く私の彼氏さんがいる。おやおや、なんとそんな彼氏さんの左手はフリーな状態らしい。ふーむ、これはあれだね。使ってもいいよ、という事だね!

 勝手に都合のいい解釈をさせて貰い、私は無言で刻の左手を取る。ギュッと握って、チラリと刻の方を見る。けれど特に何か反応を示すでもなく、無言でてくてくと歩いていた。ただ代わりに私の右手をギュッと握り返してはくれる。そんな刻の反応に私は満足する。

 気分が高揚して鼻歌でも歌ってしまいそうになるが、さすがにそれを街中でするのは恥ずかしいのでニマニマと崩れてしまいそうな表情を頑張って正しながら学校を目指すのだった。



✲✲✲



 付き合って何ヶ月も経ち、手を繋ぐのもキスをするのも営みだって経験した。けれど、それでも私はこうして刻と初な恋人のように手を繋いだりするのは嫌いじゃない。むしろ好きまである。

 今でも十分ドキドキできるくらいには慣れすぎていないのだ。慣れすぎていないからと言って決して抵抗があるわけではない。むしろ家ではしょっちゅうの話だ。意味も無く手を繋いだり、なんてことないおふざけのキスから割と本気の流れになったり。そんなことは日常茶飯事。けど、それでも手を繋ぐだけでも私はこうして付き合いたてのようにドキドキできる。これって案外得をしてると思うのだ。カップルなんてどうしてもマンネリ化してしまって相手にドキドキを感じなくなるなんてことはよく聞く話。けれど、それが無いのは非常に強みだと思う。

 こんな関係でいつまでもい続けたいと思う私はもしかしたら浅い考えなのかもしれないが、けれど、不可能ではないとも思うから刻とは末永くやっていきたいと思う。


第538話終わりましたね。蒼と刻のそれぞれの矢印は共に双方向ですが、蒼は自身の方が刻に向けている矢印が大きいと思っています。しかしですね。実際はそれを上回る大きさで刻から蒼に向いています。今回も刻は無言で握り返してましたけど、蒼がドキドキしていた以上に刻もドキドキしていたそうですよ。

さてと次回は、28日です。お楽しみに!

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