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番外編第289話.もう一組のカップル

 今日は冬休みが明けてから初めてのデート。

 オシャレもちゃんとしたし、化粧だっていつもよりも丁寧に仕上げた。

 家を出る直前にも鏡で確認したけど、我ながら歴代トップレベルでの完成度だと自負してる。


「ふぅ……デートって何回しても緊張するなぁ」


 付き合い始めてから早いものでもう三ヶ月近く経とうとしている。私にとっては人生初の交際で初めはアワアワと慣れないことばかりだったが、彼と二人三脚で何とかやってきた。だからこそ、デートくらいなんてことないと思っていたのだが、人生そう上手いこといかない。


「ごめん雪!少し遅れた!」


 サッカーで鍛えられたその脚を使ってものすごいスピードで走ってきた私の彼は、冬にも関わらず額には少し汗を光らせている。


「か、海くん汗かいてるけど……大丈夫?」


 冬に汗をかくということは並大抵の運動量じゃありえない事だ。

 膝に手をついて体で呼吸をする海くんに近付きながらそう聞くと、片手を上げて「何とか大丈夫」と返してくれた。


「というかそれよりも本当にごめんっ!待ち合わせに間に合わなくてっ」


 深々と頭を下げて私にそう謝ってくれるが、私としては大して気にならない。


「い、いや、言っても5分だけだよ?そんなに大した時間じゃないって」


 実際5分は短いし、それに私は少し久しぶりのデートによる緊張のせいで時間の事をほとんど気にしていなかったのだ。だから、海くんが走ってきたのを見て初めて時計を確認したぐらいだし。


「いや、でも遅れたのはダメだ!だから、謝罪はします。ごめんなさい」

「も、もうっ!そんなに他の人もいる前で深々と頭を下げられたら変な目で見られるからぁ!」


 道行く人にチラリチラリと奇異の目で見られるのが少し恥ずかしい。


「ほ、ほら!怒ってないから早く映画見に行こ?」

「そうだな!じゃあ、ほいっ」


 海くんは私に手を差し出してくる。私も当然どういう事なのかは理解しているのでその手を握った。



✲✲✲



 映画館のシアターには私達以外にも沢山のカップルが入っている。中には私達よりも年下、おそらく中学生の子達もいて「凄いなぁ」なんて呟いていた。


「F、G、H……この列だな。えーと俺達は17と16の席だからー……ここか」

「海くんはどっちに座りたいとかある?」

「いや、こだわりはないけど」

「じゃあ、海くんがそっちでもいい?」

「いいぞ」


 私達は順番に座ると映画の開始を待った。

 スクリーンには近日に公開予定の映画の予告が次々と流れる。ホラーやミステリー。アクション系の洋画や恋愛。今日見るのも恋愛モノだが、予告に流れているものとはまた毛色が違う。


「楽しみだね」

「うん、楽しみだな」


第289話終わりましたね。今回は番外編でしたが次回もその続きとなります。さすがに一話で雪たちの話は終わらせません!

さてと次回は、24日です。お楽しみに!

それと「面白い!」「続きが気になる!」という方はぜひブックマークと下の☆からポイントの方をお願いしますね!

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