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第255話.お互いの温もり

 お昼手前ぐらいになると(うつみ)は年相応のオシャレをして友達と一緒に初詣に行った。玄関まで出て俺と蒼は(うつみ)の事を見送ると家に戻る。

 暖房の効いた部屋はぬくぬくとしていて、起きたばかりではあるものの心地のよい眠気を誘ってきた。

 隣に立つ蒼も目を少しトロンとさせていた。


「眠たい?」

「うん……ちょっと眠たい」


 俺の腕によりかかりながら蒼は「ふあぁ」と大きくあくびをする。ソファに2人で座ると蒼はもう一度小さくあくびをした。


「お昼ご飯……作らないと」

「あ、もうそんな時間か」

「うん。少し待っててね……作るから」


 トロンとした眼は健在のままノソノソと立ち上がろうとするので、俺は手を握ってもう一度座り直させる。


「どうしたの?作れないよ?」

「そんな眠そうにしてる奴に作らせる方が怖いわ」

「でも……」


 ぷくりと頬を膨らませながら不服そうに「作ってあげたいのに……」と零した。俺はそんな蒼の頭を優しく撫でると、蒼と変わるように立ち上がる。


「俺が昼は作る。パスタしか作れないけど……まぁ気楽に待っとけ」

「むぅ……ならお手伝いする」

「大丈夫だから、座って待っとけ。ほら、タオルケットもあるぞ」


 頭の上からタオルケットをパサりとかけると、目元だけひょっこりと出して蒼はこちらをじっと見てくる。少しその視線に謎の緊張感を抱きながら、「どうした?」と聞くと「別に」とそっぽを向かれた。

 拗ねさせてしまっただろうか。

 少し不安に思い、お詫びの意味も込めて俺は蒼の額に軽くキスをした。


「んっ!?」

「あ、嫌だったか?」

「え、あ、嫌じゃないけど……ど、どうして?」

「いや、拗ねたのかと思って」

「す、拗ねた……訳ではないとは言い切ることは出来ないけど、どっちかって言うとその……1人で料理をする刻の事をかっこいいなと思ったと言いますか……見とれてたと言いますか……」


 段々と顔を赤くしていく蒼は見ていてとても愛おしく感じた。だから、料理を始める前に思わずギュッと抱きしめた。

 あまりにも彼女さんが可愛すぎて先程から心臓のドキドキが止まりません。


「と、刻?」

「可愛いなぁ……」

「あ、あぅ……耳元で言うのは、ず、ずるい。ずるいよぉ……」

「ふはっ、やっぱり可愛い」


 ボンッと言いそうな勢いで蒼は体の温度上昇させ、声はあわあわと震わせた。お互いのことは付き合うか前からよく知っているのに、恋仲になると知らなかった表情弱点がどんどん見えてくる。


「よしっ、じゃあ作ってくるな」


 最後に頭をポンッと撫でると俺はキッチンに向かった。

 鍋に水を張り、IHで熱し始めるとパスタを綺麗に入れる。手馴れた動作はミスすることなく、いつも通りこなされていく。



✲✲✲



 お昼を終えると俺と蒼は寝正月に相応しい生活を送っていた。怠惰と睡眠による支配の生活。

 ソファに俺が座り、その上にさらに蒼が座っていた。蒼のお腹の辺りに手を触れながら、俺は心地のいい温もりに船を漕ぐ。蒼にいたっては、もうぐっすりと眠っていた。


第255話終わりましたね。蒼と刻はゆっくりと寝正月を満喫していらっしゃいますねぇ。僕も寝たいです。ひたすらに寝たいです。はい……

さてと次回は、15日です。お楽しみに!

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