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第175話.チアの集まり

 放課後になるとチアに参加する私と凛は更衣室に向かった。更衣室に向かう途中の道では私達と同じようにチアに参加する女の子達が沢山いる。

 更衣室に着いて早速私達は服を脱ぎ始めた。

 凛の服の中からはブラに包まれた、たわわなものが出てくる。


「ぐぬぅ……、やっぱり大きい」

「ん?」


 不思議そうに凛は私の方を見ながら自身の胸を見た。そしてたわわに実ったそれを手の上に乗せると「これの事?」と聞いてくる。


「そうだよ!いいよね凛はそんなにあって。私なんて少ししかないよ……」


 そこまで言うと凛は「うーん」と腕を組みながら私の体を一通り見た。

 なんだか少し気恥しい。


「僕からしたら、蒼ちゃん位のサイズが一番いいと思うんだけどねぇ〜」

「どうして?」

「だって大きいと肩も凝るし、知らない人にジロジロ見られるし、大変だよ?」

「そうは言ってもさ……」


 それでもやはり大きいということが羨ましいことには変わりない。「隣の芝生は青い」とはこういう事を言うのか。

 少し悶々としながらもこれが私の個性だ!と割り切ってサッと体操服を着て、ジャージを上からさらに着た。目の前では凛がまだ少し苦戦しながら上の体操服を着ている。

 胸が大きい事にも難点はあるのだ。そういう事にしておこう。



✲✲✲



 ひとしきり着替え終え集合場所に向かおうとすると、別の階の更衣室で着替えていたらしいユウと江草ちゃんにバッタリ出会った。


「あ、ユウに江草ちゃん!」

「こんにちは蒼さん凛さん」


 私とユウがお互いに挨拶を交わしていると、隣では江草ちゃんと凛がキャッキャッと手を合わせながら「ジャージ姿似合ってるね!」「凛先輩こそ!」とお互いを褒めたたえあっていた。


「2人も今からチアの集まりだよね」

「はい今から武道場に向かう所ですね」

「じゃあ一緒に行こっか」


 そう言うと私はユウの手を引いて歩き始める。後ろには江草ちゃんと凛もしっかりと着いてきていた。

 私達が今向かっている武道場。

 なぜチアの集まりに武道場なのかと思う人もいると思うだろう。私も初めはその1人だった。だがこれにはしっかりと理由があるらしい。

 本当は体育館を使用できるのが一番らしいのだが、いかんせん山海高校は部活もそこそこ盛んで、男女バスケ部に男女バレー部が同時に一つの体育館を四分割してしているために使用する事が難しいらしいのだ。

 だから、それは仕方がないということで体育館のそれこそ六分の一程の広さしかない武道場を使うという運びになったわけらしい。

 武道場前に着くと私達は靴を脱ぎ体育館シューズを履き替えた。

 武道場なのに体育館シューズという矛盾に少し頬を緩ませながら、既に何人か集まっている武道場の扉に手をかける。


「やっぱりチアに参加するってだけあって可愛い子多いね」

「ですね」


 後ろで凛と江草ちゃんはそう言いながら中に入ってきた。


「2人とも十分可愛いじゃん。ユウは可愛い所もあるけどどっちかと言うと美人さんだね」

「「「それを言うなら「蒼ちゃん」「蒼さん」「蒼先輩」もでしょ?」」」

「お、おぉ。何か、ありがとう」


 3人に同時にそう言われわたしは思わずたじろぎながらも、何とかお礼だけは言っておく。

 武道場の中ではいくつかのグループが出来上がっていて、私達は後方の壁側付近の中央辺りに適当に固まった。


「今頃刻くん何してるかな〜」

「先輩の事だから部室で居眠りしてそうじゃないですか?」

「なんなら帰ってそう!」

「どれも鏡坂くんなら可能性ありますね」


✲✲✲


「っくし!!……誰か噂してる?」


✲✲✲


 そんな他愛もない会話をしながら私達は担当の教師が来るのを待った。

 にしても本当に刻は今頃何をしているのだろう。さっきは帰ってそうなどと言ったが刻の事だ、ちゃんと部室には行っていると思う。ただそこからは本当に寝ているかもしれないけど。

 少し船を漕ぎながら眠りそうになるのを耐えている刻を想像して、私は少し笑いそうになった。


「どうしたの蒼ちゃん?何か笑ってるけど?」


 私自身は笑っていないつもりだったが周りからは笑っているように見えたらしい。


「いや、刻が眠りそうになるのを耐えてるとこ想像しちゃって面白くなっちゃってね」

「あー、確かに。コクッコクッって船を漕いでそうだよね〜」

「そうそう!」


 会話を続けているとガラッと前方に位置する扉が開いた。そして女性体育教師が入ってくる。


「はーい、じゃあみんな集まってねぇ」


 そう言われ私達はその指示に素直に従った。

 良かった。この先生は優しいということで有名なのだ。もし怖い先生とかだったらどうしようかと思っていたが、この先生なら平穏に過ごせる。どうやらそう思ったのは私だけではなかったらしく、凛達を含め周りの女子生徒もみんな嬉しそうな表情を浮かべていた。


「はいっ、じゃあまずは体を動かす時は何事もストレッチから!という事で2人一組を作ってストレッチをしてもらいます。早速近くの人を誘って始めてね〜」

「じゃあ凛やろっか」

「だね」

「じゃあ私は江草さんとですね」

「はいっ」


 そんなこんなで何事もなくこの集まりはスタートした。


第175話終わりましたね。今回から本格的にチアの話が始まってきたわけですけど、どうしよう、チアの話し書けるか心配(2回目)。書くけどね!とまぁそんなこんなでお話は次回へと続きます!

さてとそんな次回は、8日です。お楽しみに!

それと「面白い!」「続きが気になる!」という方はぜひブックマークと下の☆から評価の方をお願いしますね!

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