表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/700

第134話.秀才

 ノートと教科書を開き、授業は片手間程度に聴きながら窓の外を頬杖をつきながら眺めていた。グラウンドでは、他のクラスがサッカーをしながらワーキャー言っている。

 私はその様子を上から傍観しながらなんとなく朝の事を思い出していた。

 鏡坂って私と家の方面同じだったんだな。今まで見ること無かったから全然知らなかった。まぁ、普段の私の登校時間が予鈴ギリギリってのもあるだろうけど。今日は日番の仕事があったから早く来ただけだし、それは鏡坂も同じだったみたいだからな。

 私はそう思いながら一度黒板の方を向き直って、板書されていることをノートに書き写した。授業で習う大体の事は既に履修済みだから私は本当はあまり意味が無いのだけど、形だけでも受けとかないと流石に内申の評定の方が心配だからね。


「じゃあここ緋山訳してみてくれ」


 板書を写し終えようとしてる頃に、羽峡先生が私を指名してきた。椅子を引いて立ち上がると、英文を見て瞬時に訳し始める。


「彼の幼馴染は普段は活発だが、ふとした事で落ち込んでしまうことがある」

「よし、正解だ。座ってもいいぞ」


 羽峡先生にそう言われると椅子に座り直してから、また窓の外を見た。ちょうど授業では羽峡先生が私の訳した文の間違えやすい部分の解説などをしている。


「あ、ゴール」


 相変わらずグラウンドを見ていると、丁度ゴールにシュートが決まるところだった。ゴールを決めた男子生徒は周りのチームメイトと一緒になって喜びあっている。


「こら」


 その様子を眺めていると、頭をペシッと軽く教科書で叩かられる。見てみるとそこには教科書を丸めて手に持っている羽峡先生が立っていた。


「外ばっかり見てないで少しは授業を聞きなさい。確かに緋山は成績優秀だがこれだと平常点の方が引かれるぞ?」

「別にいいですよ」


 特に反抗するとかそんな意思は無しにそう言うと、羽峡先生は少し頭を押さえた。


「はぁ……。まぁ、ちゃんと聞いとけよ」

「はい」


 羽峡先生はそう言いながら教卓まで戻って行った。そして周りの生徒は私の方を見ながらコソコソと「あの、羽峡先生にあんな態度取れるなんてさすが緋山だよな」「だな。俺には無理」とか「緋山さんってやっぱり怖いのかな」「そうなんじゃない?ガッツリピアスとかして校則違反してるし」とか何か言われてる。


「おーい、授業を再開するぞー」


 羽峡先生が教卓をトントンっと叩いてそう言うと、先程まで喋っていた生徒達はスっと会話をやめて前を向いた。


(羽峡先生ってそんなに怖い?)


 そう思いながら、一応今回は周りに合わせて授業を聞くふりをした。



✲✲✲



 ウトウトとしている頭を起こそうとしながら、俺は授業を受ける。

 xとかyとかθとかいつ使うんだか分からないものを眠たくならずに受けろというのは中々難しい。

 隣に座る凛も完全に目を閉じてるし、灯崎とか空宮に関しては突っ伏して寝ていた。


「じゃあここ灯崎解いてみろー」

「ふえ?え、俺っすか!?」


 急に当てられた灯崎はもちろん寝ていたのでパニックになっていた。


第134話終わりましたね。今回も緋山が多めの回でした。緋山何気にお気に入りです。

さてと次回は、18日です。お楽しみに!

それと総合評価500ポイント達成したら1週間の毎日投稿チャレンジをしようと思っていますので、ぜひブックマークと下の☆から評価の方お願いしますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ