魔法使い兼ハンター(廃業) <上>
第4話。ののの出会い。
息が切れそう。
あれからかなりの時間走った。
さすがにもう限界。
すこし、深呼吸。
そして、彼女は現れた。
「あなたが…さっきの声の子?」
「そう。私がさっき、あなたに向けて声を流した。私の名前は唯川結衣。あなたは?」
「私の名前は野崎のの。まず、あっちの世界って何?」
「あっちの世界とは魔界。あなたが今までいたのは魔界。あなたがどんな暮らしをしてきたのかは分からないけど、こっちに来ようと思うならそれ相応の対価が必要なんじゃない?」
「別に"あなた"じゃなくて"のの"で良いよ。それで、その件なんだけど私がこっちに来れたのはたぶんこの、頭の冠が作用したからだと思う。」
「私も"結衣"で良いよ。へえ…不思議なものあるんだなぁ…。とにかく、もう夜だし、私の家来る?」
「じゃあ…お世話になるよ"結衣"」
「べ、別にそんなに気構えなくて良いよ。私一人だし。"のの"」
これが私と結衣の出会い。
私は嬉しくて泣いてしまった。
悲しくて泣いたことは何度もあったけれど、嬉しくて泣いたのはこの日が初めてだった。
のののと書くとのが3つ出てくるので誤字していないか不安になります。のの……