不戦、不勝、不敗 <中>
引き続きの方はこのまま。これが初めて!な方は前話を読む事をオススメ致します。
オーラというものは勉強した事がある。
物質に限らず、この世の全てに宿るもの。
そしてそれが微弱であればあるほど"魔"のものに引きつかれにくく、強大であるほど引かれ合う。
私は一度自分の"魔力"に関して測ってみた。
どう見ても普通だった。
むしろ、中の下くらい。
お世辞でも何でもなく、中の下。
「我が王よ、城を開けていただけないか。」
複数の"魔"のオーラがする。
「王よ、もう一度申し上げます。城を開けていただけないか。」
なんかしつこい。
「王よ、王よ、」
大体10分くらい経った。
複数の"魔"改め、魔物たちはちょっと疲れたのか、
「王、王、王王王oh、yeah〜
王、王、王王王oh、yeah〜」
…だいたい30分くらい経った。
私は開けずに応対する方法を探している。
「オー!」
「「イ○ス!!」」
「オー!」
「「イ○ス!!」」
「カモ〜ン!!」
「分かったから、ちょっと待って!!」
これはあれだ、たぶんアメリカ系のアレだ。
困ったら○ーグル大先生で調べてくれ。
手立てを探している間にドアを開ける事にした。
でも開かない。
窓の外から声をかけたい所だが、実はこの窓が不思議なもので外から声が漏れにくい。だからさっきの返答、及びツッコミもかなり大声を出した。
喉が痛い。
すると例のかぶりものから声が聞こえる事が分かった。
試しにかぶりものに向かって声をかけた。
「聞こえる?」
「ファ…YES、聞こえますヨ!」
まだしてたのかよ……
「あなた達の目的は?」
「私たちは王を迎えに来ましタ〜」
「(うさんくさ…)王って、私のお母さん?お母さんならいないよ。私はその娘の野崎のの。用がないならもう帰ってくれない…」
「いえ、王とはあなた様でス!」
「へえ……(王とか、興味ないな)
それ以外に用はある?無いならもう帰ってくれない…」
「いえ、あなたは冠をもう手にしているでしょう?無敗の最強王、のの様。」
「え?(私別に戦った事もないし、最強じゃないし…不戦、不勝、不敗なくらいで…って)…あ、コレ?
………え、コレ!?」
「そうでス、あなたはそれで望みを叶える事ができまス。その度は是非我がこ…」
「かぶりもの!もし願いを叶えられるなら私をここから出して!!」
「いやちょっと、王様、ちょ…ま…」
突然そのかぶりものは光り出した。
魔物たちが何か言ってるけど、今、争いさえ終われば、これでこの城から出られるなら……!!
閲覧ありがとうございます。
少しテンションが高めな回でした。
いや、かなりテンション高めでした。