9話❀宝箱と2層?
「やった!ボス攻略!」
なんとか攻撃を受けずにボスに勝てた。
取り敢えず、リザルトを確認しよう。
まず、ステータスから!
「ステータスオープン」
【星宮 春 職業:賢者 Lv4
❀ステータス❀
HP: 21/38
MP: 49/114
攻撃: 8
防御: 7
攻魔: 36
回魔: 36
耐魔: 21
器用: 21
素早: 12
❀スキル❀
『魔力覚醒Lv2』『火魔法Lv1』『水魔法Lv2』『風魔法Lv1』『土魔法Lv1』『光魔法Lv1』『闇魔法Lv1』『回復魔法Lv1』『痛覚耐性Lv1』
❀称号❀
〈焔初攻略者(仮)〉
❀ランキング❀
日本:9位
世界:23位】
ふむ。色々上がってるね。
まず、Lvが4に上がった。雑魚戦で2に上がってたから、ボス戦でのLvupは2だね。
次、HPが減ってるのはLvが上がった時の成長分回復しないから。そう言う事だと思う。
後、休憩の自然回復で1かな?
次、MPも上昇分は回復しなくて、ボス戦と雑魚戦で11減った。特筆すべき点は無いかな。
次。攻撃が8なのは、ボスを倒したから。MFOでは、ボスを倒すとそのボスの得意分野のステータスが+されるんだよね。
ただ、同じ奴を倒しても上がらない。普通に上がらない時もあるしね。だから、上がったらいいなってレベルのやつ。
他のステータスは普通の上昇分だね!
次はスキル。まず、雑魚戦で生えた痛覚耐性。持ってて損はないから嬉しい。
スキルLvは上げたいけど痛いのは嫌って言うジレンマ…。ジレンマ…?
ボス戦で新しく生えたのは無いけど、水魔法と魔力覚醒がLvupしたのは大きいね!焔攻略の現主戦力だから!
ステータスはこんな所かな?
…そう言えば、ランキング変わってないなぁ。
もしかしてこれ、ゲーム時代の方のステータスが反映されてて、あっちが上がらないとランキングも上がらないとか…?
それだと、ランキングが動くまでかなり時間かかるね。
たまたま上位の人達が全員同じくらいのスピードでLvが上がってるって言うのは考えにくいし。
ステータスはこれで終了!次はドロップアイテム!
ドロップアイテムは、ファイアオーガが落とした赤鉄鉱と、宝箱!
赤鉄鉱は序盤中盤の装備に結構使ったはずだから、嬉しいね!
さて、宝箱!…あ、でも先に開けていいか聞いた方がいいのかな?
「宝箱、開けちゃっていい?」
「いいんじゃない?1番貢献したの春さんでしょ?ラストアタックだし。」
と恋君。
「いいと思うっすよ。自分あんまり役に立ってなかったし。」
と木崎さん。
「いいの引いてね!」
「春ちゃんはやく開けちゃって!」
急かしてるのが鬼永さんで、期待してるのが水浦さん。
皆同意してくれてるし、開けちゃお!
「おーぷん!」
開けると…!
「……メガネ?」
「メガネだね。」
「メガネっすね」
「メガネね。」
「メガネですね。」
眼鏡だった。黒縁の、普通の眼鏡…に見える。
見た事ないし、恋君や木崎さんも反応が無かったから、ゲーム時代には無かったのかな?
でも、ダンジョン産だからもしかしたら何か能力があるかもしれない!
「うーん…掛けてみます?」
「そうねぇ…お願いしていい?」
鬼永さんに言われたので着けてみる。
…うーん。何か変わった…かなぁ?
「何か変わった?」
「いやぁ…わかんない!」
能力でも上がったかな?とステータスを開く…が、特に変わっていなかった。
「うーん…定番の、鑑定メガネとか?」
「あぁ!ローファンタジーで良くあるアイテムだよね!」
そうだったら嬉しいから、色々試して見ようかなっ!
「ふぬぅ!鑑定!かんてー!カンテーイ!」
ダメだぁ…
「…使い方分からないし、取り敢えず仕舞っとく?」
「そうですね…水浦さん、お願いします。」
と、眼鏡を外して水浦さんに手渡す。
因みに、素材等も基本的に水浦さんが全て持っている。
荷物係…ま、まぁ、そんなに量ないし、個々もそんなに重く無いはずだから、めっちゃ重いってことはないと思う。多分…。罪悪感がぁ…
「よ、よし!2層チラ見して帰りましょうか!」
「了解」
「2層チラ見するって言っても1層と変わらないはずっすよね?」
木崎さんに聞かれたので、一応答える。
「ほら、焔ってゲーム時代だと1回行った階層からスタート出来たから、ワンチャン出来ないかなーって言う淡い期待だよ。」
「あぁ。成程っす」
納得してくれた様だ。よかったよかった!
「さぁ!お邪魔しまーす」
と、真っ先に飛んで足を踏み入れた瞬間。
……足元に穴が空いた。それはもう、ぽっかりと。私を飲み込む様に。
「え?きゃああああぁぁぁ!?」
唐突な事に反応出来ず、私は落ちて行く。恋君と鬼永さん、水浦さんが掴もうとするけど、私が行き良いよく入って奥まで行ったせいで、間に合わない。
「え?深!深すぎ!死ぬ!死んじゃう!」
下を見ると、凄く深かった。底が見えないくらい。
…ん?あれ?暗くなってない?と、恐る恐る上を見ると、落とし穴が塞がれようとしていた。ダンジョンによって。
「殺意が高過ぎるよっ!」
…いや、これ、洒落にならない。本当に死ぬ。モンスター関係なく。
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
どうすれば生き残れる?
私の手札で打開できる物は…まず、何がある?
水!…は多分突き抜けるだけ。
土!…も普通にぶつかったら死ぬ。
火は論外。
回復…も、多分即死だから意味が無い…
…あ!風なら!下に連射すれば落下スピードを抑えられるかも!
…やるしかない!
「『魔力覚醒』!『ウィンドボール』!『ウィンドボール』!『ウィンドボール!』ウィンドボー」
───
「っ!…ここは?」
えっと、確か…焔に入って、ボスを倒して…あ、落ちたんだ。
という事はここは…霊界?
そっと胸に手を当てる。…よかった。動いてる。
「って事はここ、焔の下層かなぁ…」
周りを見渡すと、近くに十字路とT字路がある。
どのくらい落ちたんだろう。長い事落ちてた気がするし、100層越えてるかな?
…その場合、敵との戦闘はほぼ間違いなく死あるのみ。焔の100層以降の適正レベルは80だからね。
Lv4の私じゃ話にならんのですよ。
「どうしよう…」
急に心細くなってきた。
焔は数層毎に敵の種類が変わるから、敵を見ればどの辺かは分かる。
でも、索敵スキルも無い私じゃ、肉眼でみれる頃には相手にも見つかってるんだよね…
「っ!?」
その場に静かにしゃがむ。なるべく音を立てないように。
割と近くから足音がした。
敵に見つかったら終わりだけど、私に出来る事はせいぜい見つからない事を祈るくらい。
そうそう、足音がするって事は、100~110層ではないことは確定だね。100~110層にいるのはレイスとかの幽霊系。アイツら音全く立てないからね。
因みに、ファイアレイスのモン娘は人気があるらしいよ。
「…戦闘音?」
もし、モンスター同士が闘ってるなら、現在層を確認する又と無いチャンス。
…ある程度、危険を承知で行かないと…だね。
唾を飲んで、音をなるべく立てない様に、慎重に音のする方向に向かう。その間にも、ドンパチやっている様で、動い音がなってる。バキ!とかドゴ!とか…。
十字路を曲がったりして、体感10分くらいでモンスターを肉眼に収められた。
私の5倍くらいで、ダンジョンの通路にギリギリ通れるくらいの巨体に、赤く光る鱗。
ファイアドラゴンの幼体。
もう一体の方はファイアドラゴンの幼体の身体で隠れて見えなかったけど、今居る場所が分かった。
ファイアドラゴンの幼体は、焔だと最下層の1層上にしか居ない。つまり
焔…185層