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焔の賢者  作者: 緋藍翠
三章「訓練」
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36話§試験


「春姉ちゃん!時間!電車間に合わないよ!」


「んえ?」


玄関から、閃の呼ぶ声が聞こえる。どうしたんだろ?まだ時間は………………あ。


「ちょ!ちょっと待って!」


まずいまずいまずいまずい!

まだまだ時間はあるとタカを括って、ラノベを読んでいたら。

既に14時40分を過ぎていた。


早めに着きたいから14時43分の電車に乗ろうって話したのにっ!

私は近くに落ちている準備した荷物を全部持って、玄関に走る。


「ごめんっ!」


「ほらっ!早く行くよ!」




*✿*




「ここが試験場かー!」



眼前に広がる、巨大なビル。

その前には、探索者志望と思われる人達が大勢いる。多分、試験を受ける人とその付き添い、後は唯の野次馬とか何じゃないかな?下見をしに来た人もいるかもしれない。

人混みの中には、コスプレっぽい人もいる。お祭りみたいでテンション上がるなぁ!


あ、因みに冒険者、探索者のどっちを名乗ってもいいらしいよ。ホームページに書いてあった。Tuitterには、「ボスや強敵を倒すのが冒険者。深層を攻略するのが探索者。」みたいに別れるんじゃないかみたいな事が書いてあったね。……まぁ、深層を攻略しようと思ったら強敵もボスも倒さなきゃ行けないんだけど。

私は探索者派。安全マージンを取って探索するから。冒険はしないよ!命は1つしかないからねっ!



「春姉ちゃんこっち!ならんで!ほら!」



人混みから、閃が呼んでる。……物凄く顔が険しい。

私はこれ以上怒らせない為、急いで閃達と合流する。因みにお姉ちゃんは連れて来たレナの頬を抓ったりしててずっと笑顔。閃との差が酷い。

一応レナには獣耳フード付きのパーカーを着せてるんだけど、お姉ちゃんのせいでちょっと目立ってた。

そりゃあ、電車内で「ふへ、ふへへ…」って声が聞こえたら見るよね。私だって見る。元々お姉ちゃんは美人だから目を集めるし。レナも美少女だからね。多分同じ電車に乗っていた人の癒しになった事でしょう!



「春姉ちゃん迷子になりそうだから余所見しないで。テンション上がるのは分かるけど僕が全く楽しめない」


「閃も私と一緒に楽しめばいいじゃんっ!ほら、遠慮しないで!」


「周りの迷惑になるんだよっ!」



怒られました。

多分、今の閃は近くに自分より怖がってる人がいると冷静になる奴に近い心境だと思う。分かっててもこのワクワクは止められないけどねっ!



「春姉ちゃんは別にまた来るんだからさぁ……嫌でもそうか。春姉ちゃんの友達に迷惑をかける訳にも…」



閃が何か言ってるけど気にしない。

確か最初に講義見たいなのがあって、その後試験だったはず。筆記は行けると思うけど、閃は身体能力試験が厳しいかも知れない。家、運動神経いいのお姉ちゃんだけだからね。



「試験志望者の方はこちらに進んで下さい!」



お、どうやら時間になったみたい。

閃はお姉ちゃんに声を掛けてから、誘導に従って進む。建物内をずっと進んでいくと、広間……いや、映画館のシアターの方が近いかもしれない。広い空間に着いた。

扇形で、広がっている方が高い。机と椅子が並んでる。逆に中央は低い位置にあって、スーツを着た人が立ってる。講義の人かな?



「…あれ?恋君?」



そのスーツの人の近くに、頭を抑えてる恋君が居る。……あ、スーツの人、よく見たら恋君の叔父さんじゃん!つまり恋君は付き添いか補助なのかな。



「各自自由に座って下さい」



マイクを持った恋君の叔父さんが喋る。何処に座ろうかなと辺りを見回すと、私がよそ見をしている間に閃が席を取ってくれていた。手を振って呼んでいる。

いやぁ!気が利くね!



「あれ恋さんだよね」


「多分。スーツの人は恋君の叔父さんだよ」



どうやら、閃も気が付いていたみたい。席も確保して私が気付いた事にも既に気付いている……弟が優秀すぎて辛い。





✿❀✿




「終わったぁ!」


「春姉ちゃん、お疲れ」



今は講義の後。筆記試験が終わった所。講義自体は簡単な物で、MFOのマナーに近かった。

あとは普通に法律は守ろうみたいな。


筆記試験はホームページに書いてあったモンスターの特徴とか、講義の復習とか。税金関係もちょっとあった。こう言うのは、攻略wukiを書いてた人が強いんじゃないかなって思う。



「ごしゅじんさま、おつかれさまです」


「れなぁ!」



レナが態々来てくれた為、抱き締める。かわいいなぁ…へへ



「春姉ちゃん気持ち悪い。行くよ」


「辛辣だなっ!」



閃にビシッと指をさして糾弾するも、スルーされてしまった。お姉ちゃんは私を見て羨ましそうにしてる。

普段独り占めしてるのにっ!



「いこっか、レナ。」

「はい」



講義中にあった指示に従って、地下の運動場に移動する。因みに、男子は屋上。途中まで一緒だけど、男子は階段で登って、女子はエレベーターで降りる。と言っても、女子は私含めて多分10人くらいしか居ないから、男子より早く終わるんじゃないかな?男子は中高生多かったし。


エレベーターで地下に降りると、武装した女性の人が数人いた。迷彩服着てるし…自衛隊の人かな?

目線が鋭くて男子より女子にモテそうな人と、ゆるふわ系の男子にモテそうな人がいる。ゆるふわって言っても、自衛隊に入るくらいだからただの可愛い人では無いんだろうけど…。

取り敢えず、やれるだけやる。それだけだねっ!

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