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焔の賢者  作者: 緋藍翠
一章「焔」
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14話❀名付けと帰還



…さて、気を取り直して。

焔車を仲間にしようっ!


倒れている焔車に近寄って、首輪を付ける。

近寄って見ると、やっぱり小さいなぁ…と思った。125cmくらいかなぁ…?


「あれ?結構難しいな」


思ったより首輪は付けにくかった。

2分程奮闘して、首輪を付けることに成功したけど…

これ、美少女に首輪付けてるとか完全にやばい人だよね?これはまずい。

…まぁ、それは後で水浦さんとかと相談する事にして、いつの間にか蘇生はされてるみたいで、いきはあるけどまだ意識が無いみたいだから、回復させてみようかな。

襲われたら…その時。うん。


「『ヒール』」


回復魔法であるヒールを掛けると、焔車はむくっと起き上がり、耳を立ててうにゃぁと目を擦っている。

何これ可愛いもふもふしたい。


「ごしゅじんさま?」


「ご主人様だよー!」


可愛い声で呼ばれて思わずふにゃっとしてしまう。

ゲーム時代では一体も仲間に出来なかったからね…

モン娘は普通のモンスターと違って━━一部のモンスターは近い物もある━━人間に近いから発声器官もあって、ちゃんと喋れるんだよね。

なんか幼い感じだけど。

…いや、可愛いからこのくらいが一番かな?


「今から名前をつけるよっ!」


「わたしの?」


いきなり名付けを切り出すと、自分のか聞いてきた。

この場に名前を付けるべき生き物は君しかいないよっ!


「勿論!」


「おー!」


グッ!と親指を立てて元気よく答えると、焔車は両手をぱちぱち拍手しながら喜んで…るのかな?これは。

…あ。そう言えば、名付けを切り出したのは良いものの、肝心の名前をまだ決めてないや。

……てへっ


「んー。」


考えていると、焔車がこっちをじっと見て居る。

ちょ、ちょっと待って……はっ!!


「君はレナだっ!」


「おー!」


今度は目をキラキラさせながらぱちぱちと拍手している。

これは喜んでるねっ!異論は認めないよ!!

…なんか動きは猫ってより犬な感じする。気の所為かな?

因みに、これは割と安直な名付け。

焔って言ったら赤のイメージあるよねーから赤…紅…くれない…く…レナ!

…うん。そう言う事だよ?


「わたし、れな!」


「そうだよ!」


ふふふ…口角が上がるのを抑えきれないっ!


……あ、そう言えば。記憶ってあるのかな。

聞き辛い事ではあるけど、後々より今の内に確認して置いた方が私の気持ちが楽な気がする。

という訳で、覚えてたら辛いから言わないでおこう、と言う私の甘えを無視し、意を決して聞いてみる。


「…れなってさ、起きる前の記憶、ある?」


「きおく…んー…おぼえてない」


覚えてないみたい。良かった。


「ならいいや。帰るよ、れな!」


「ごしゅじんさまについていけばいい?」


「うん!」


と言うと、着いてくるって言うか…体ごとピタッてくっついて来た。

可愛い。お持ち帰りだー!

…くっつかれていると歩きにくいので、報酬を持って、れなを抱き抱えて部屋の中央に行く。


本当に帰れるのかなぁと思いつつ、いつの間にか中央に出来ていた淡く光る魔法陣…だと思われる物の上に乗ると、急に強く光り出した。


「眩しっ!」


5秒くらいで光は納まった。

辺りを見回すと、洞窟。

赤く光る奴があるから焔の中だとは思う。

…あ、これ、一本道だ。後ろはすぐ壁で、前しか行ける所がない。

進むしかないかな。床、何も無いし。


薄暗い道を進むと、行き止まりに明らかに人工物があった。

レバー。

これ、多分引くしかないよね。道もう無いし。


意を決して引くと、行き止まりの壁がゴゴゴゴゴと上がってく。

…このギミック必要あったかなぁ?何しろ、こっちから最下層には行けないんだし。

因みに、一本道を進む前に1度降りてから乗ってみたり色々試して見たけど、うんともすんとも言わなかったよ、あの模様。


壁の向こうは、一層の入口付近だった。

ここなら道も分かるし普通に出れる。帰ろう!




エンカウントも何も無く、無事に…無事?生きて入口まで来れた。


「よっし!生還っ!」


と、元気よく言いながら出ると

…夜だった。後、忙しなく動いていたと思われる人達が、私が声を出した辺りからみんな動きを止めてこっちを見てる。ちょっと怖い…


あたふたしていると、呼ばれた様で、水浦さんが走って来た。


「はぁ…はぁ…春ちゃん!よかった…」


近くまで来て私の名前を呼ぶと、安心した様にため息をついた。

かなり急いでいた様で、息切れしている。


「水浦さん!無事、帰還しました!」


「えぇ…その子は?あ、いや…疲れていると思うし、明日でいいわ。今日は早く帰って。明日、事情とかを聞きに行くから答えてくれると嬉しいな。」


れなの事を聞いてきたけど、ダンジョン帰りってことを考慮して一旦帰らせてくれるみたいだね。

多分腕とか無くなってたり、ずっと警戒したりで気付かない内に疲れてるし、ここは遠慮なく帰らせてもらおう!


「わかりましたっ!では、また明日!」


挨拶をして、れなを右腕で抱えながら校門の方に足を向ける。

お腹空いたから早く帰りたい。


「…ん?え、待って!春ちゃん!その腕!」


「え?…あぁ、ちょっとやられちゃいまして…」


と、思っていたら、水浦さんから呼び止められた。

確かに、血も止まってるしもう痛みは無いけど、見たら驚くか。


「ちょっとやられちゃったって…ちょっと待ってて、病院と親御さんに電話するから。あ、もしもし━━」







水浦さんの電話の後、直ぐに救急車が来た。

家族(みんな)は病院に呼んでくれたらしい。

色々質問を受けたりして、今は病室で寝転がってる。

あ、レナは隣に居るよ!

凄い調べたそうにしてたけど、全部断った。

何されるか分からないし。


「春!」


そんな事を考えていると、病室の扉が開いた。


「あ、お母さん!皆も!」


開いた扉の奥には、家族が皆揃っていた。

かなり急いで来たみたいで、みんな息を切らしてる。


「ただいまっ!」

1章の現代焔攻略終わりです。(強引な展開)

後はスキル等の補足に付いての話を挟んで、2章入りします。←見なくても大丈夫です。

2章始まるまで時間がかかるかも知れません。よろしくお願いします


面白かった!や暇潰しになった!と思って頂ければ幸いです!

宜しければ、ブクマ、評価、感想等頂けると嬉しいです!作者のモチベが上がりますので良ければお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 無くなった左腕を回復した場面無かったように思いますが、仲間と再会したのに誰も左腕について言わないと言うことは、いつの間にか再生したの?
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