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焔の賢者  作者: 緋藍翠
一章「焔」
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10話❀逃走とセーフエリア


つまり。2層から185層まで落ちてきたという訳で。

良く生きてたなぁ…と思う。


…取り敢えず逃げよう。


そう思って、振り返った時、後ろには



3つの首。

赤い目に、鋭い爪と牙。

赤黒い体毛。

…ケルベロスが居た。


「っ!」



やばい!と思った途端、体が動いていた。すぐ様全力ダッシュする。

なるべく遠くに行くように。敵から逃げれる様に。


そしたら、ケルベロスが追ってきたんだよ。うん。

もう追い付かれたんだよね…


まぁ、そもそもね?Lv4の私の素早さでLv70くらいのケルベロスに勝てるわけないのよ。うん。

どうすればいいかなぁ…


候補としては3つ。


1、命乞いをする。


うん。相手がモン娘ならまだしも、普通のケルベロスにやっても通じないから普通に食われる。無理


2、決死の覚悟で戦う


うん。Lv4だと一撃も与えられずに死ぬ。無理


3、決死の覚悟で逃げる


うん。もしかしたら追ってこないかもしれないっていう望みにかけて逃げる。1番可能性はある…よ。1%くらい。

それと、185層にはセーフエリアがある。後、185層にはボスが居ない。最下層の186層がボス部屋しかないから。

セーフエリアまで逃げれて、仕様がゲーム時代から変わって無ければ…生き残れる。


…3だよねぇ

こんな所にいられるか!私は逃げさせてもらう!あばよっ!

猛ダッシュ。音とか気にせず全速力で逃げる。幸い、185層は最近ゲーム内なら攻略したし、マッピングもしたから内容が頭に入ってる。さっきの所が十字路だから、近いのは…隠し部屋のセーフエリアっ!



で、ケルベロスが追ってきてるかって言うと。

現実は非常である。うん。がっつり狙われてる。お慈悲を!お慈悲を!


ケルベロスから逃げて、走って、走って走って。


やっとセーフエリアが見える所まで来た。

後ちょっと!

セーフエリアに入る直前。

嫌な予感がした。

セーフエリアの扉を開けて、そのまま飛び入る。その瞬間。


ケルベロスが飛び掛ってきた。間一髪。

セーフエリアに入れた。そのまま倒れ込む。

後ろを見ると、ケルベロスが通路でこちらを見ていた。

セーフエリアはセーフエリアの機能を果たしていて、入って来れないみたいだね。

助かった…と、立ち上がろうとして、気付く。


…左腕が無い。


それに気付いた瞬間、焼けるような痛みが走る。


「っ!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!『ヒール』!『ヒール』!『ヒール』!」


ヒールを重ねがけすると、痛みが引いて、涙が出てきた。





…あぁ。なんでこうなったんだろう。




……私は異世界に憧れていた。



…………私は魔法に憧れていた。


………………私はダンジョンに憧れていた。


………………………私は冒険に憧れていた。


私が憧れていた異世界は、きっと、産まれた時からずっと近くに死があるのだろう。


私が憧れていた魔法は、確かに凄い。それでも、限界はある。


私が憧れていたダンジョンは、私が思っていたよりも、ずっと恐ろしい所だった。


私が憧れていた冒険は、自ら死にに行くようなものなのだろう。


本当に、なんでこうなったのかなぁ…。

2層を見ようって言ったのが間違いだった?

ボスを倒して、油断したのが悪かった?


嫌、そもそも、ダンジョンに入ったのが間違いだった?


…分からない。

焔を攻略するなら絶対に2層には来なきゃ行けない。

油断して無くても、あの落とし穴は避けられ無いだろうと思う。

これからはきっと、危険を承知でダンジョンから資源を持ち帰る時代になる。なら、ダンジョンに入るのも避けられない。


あれ?そもそも、ダンジョンって何?

モンスターって何?

スキルって?魔法って?

分からない。


スキルや魔法(この力)って、なんだろう?

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは10話迄拝見させてもらいました。 テンションが高い明るい女の子の物語ですね。現実世界にダンジョンができるのということもよかったと思います [一言] がんばってください
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