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08

よろしくお願いしますm(_ _)m

 

 次の日の朝、控えめなノック音で起きた。


「お、おはようございますっ」


「おはよう」


 少しビクつきながらも一生懸命やってくれている姿は微笑ましい。


 リリーがカーテンを開けている中、私はベッドの上で腕を組み、昨日の疑問を考えていた。


 なんでいきなり先生の態度が変わったんだろう…。



「・・・あああぁ!!!」


「っ!!どうかなされましたか?!」


「な、なんでない!」


 いきなり大声をだして、リリーを驚かせてしまったことを心の中で謝った。


 そりゃそうだよね、何も教えてない小学生がいきなり5分もかからずに問題に解けたらやばいやつだ…。


 ふ、普通の目立たない生徒になろうと、心に誓ったのだった。


 午後になり、予定通り先生がやってきた。


「では、これを。」


「ありがとうございます…。」


 難易度もさほど変わらず応用問題が足されていた。

 その問題にたどり着いた時、少しビクつきながらも声をかけた。


「せ、先生…。」


「おや、もう出来たのですか?」


「いや、そうじゃなくて…。この問題が分からないのですが…。」


「え?大丈夫ですよ。」


「え?!」


 な、何が大丈夫なの?!


「昨日とさほど問題は変わっていませんし、昨日はスラスラ解けていましたよね?…()()()分からなかったら聞いてください?」


「は、はひ」


 思わず、噛んでしまうほど凄みのある笑顔だった。


 ば、ばれてる…。

 昨日の私のばかばかばかっ!

 ごまかせなくなったよぉ…涙


 渋々書き進め、丸つけをしてもらい全問正解で終わった。



「今日から剣術の勉強をしましょう。」


 プリントが終わるとそう言われて、外に出た。


「では、これを。」


「ありがとうございます。」


 木刀を渡され、意外と重くて落としそうになったけど何とか耐えた。


「では、構えてください」


 構えとは?…私、剣道をちょびっとかじった程度しかないんだけど…。

 とりあえず、ぽい感じに構えた。


「?それは我流ですか?」


「たぶん…?」


「まぁ、いいでしょう。かかってきなさい。」


「はいっ!」


「っ!!」


 素早く足を前に出し、一気に距離をつめてくりだした。キーンといとも簡単に防がれてしまったが、めげずに、右、左とリズミカルに振っていく。徐々に徐々に追い詰めていき、少しバランスが崩れた。


 よし、行ける!


 そう思った私は最後の力を振り絞り、今までで1番速い攻撃をした。


 っ!!


 カーンと音を剣が吹き飛んだ。


「あ、ありがとうございました」


 絶対行けると思ったのに…。


 少しガッカリしたがらもお礼を言った。


「剣を触ったのは何回目ですか?」


「…初めてですけど…。」


「それは、すごい。不思議な構えですが、隙がない。筋もありますし、問題は体力と実践ですね。今、私がバランスを崩した瞬間いけると思いましたね?」


「っ…はい」


 やっぱりバレてたか…。


「油断は禁物です。隙があると1番飛び込みやすく、無防備になり、逆手に取られてしまうこともあります。では、もう一度。」


「はいっ!」


 私は再び剣を構え、走り出した。


読んでくださりありがとうございました!

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