05
よろしくお願いします<(_ _)>
「レオっ!幸せにねー!!」
マザーはハンカチを目に当て、手を振っていた。
孤児院のみんなも泣きながら手を振ってくれていた。
「いい、孤児院長だね。寂しくないかい?」
「いえ。大丈夫です。」
でも、ちょっと悲しくなってきた。もう一度振り返ってみると、あれれ?よく見ると涙なんて出てなくない?薄笑ってるんだけど。その手に持ってる袋はなにさ!絶対金ぶんどったな。
はぁ、ついてないなぁ。ドナドナの気分。
馬車に揺られながら1時間ほどたった時、屋敷にたどり着いた。
「ここが今日から君、いや、私達の家だ。」
そう言って笑顔で迎え入れてくれた。
玄関に入ると私を見たメイドや執事が目を見開いた。
「リリアスおぼっちゃま?!」
そんなに似てるのかなあ?
みんな固まったまま動かない。
「今日から私の家族になったレオだ。みんなよろしく頼むよ。」
「かしこまりました。」
そう言って少しふくよかな女性が私の手を取り連れて行った。
途中の壁に姿絵が飾ってあった。
「これは?」
「これがリリアスおぼっちゃまです。」
と言われ、よく見てみたけど、似てなくないかな?
ぼーと、姿絵を見ていると。
「さぁさぁ!その汚れたお召し物を脱いでシャワーを浴びましょう!」
私は風呂場に連れてかれた。
「さぁさぁ!レオおぼっちゃま。早く脱いでくださいな。」
「自分で脱げますっ!!」
必死な抵抗でギリギリ自分で脱ぐことが出来た。
その後は抵抗叶わず、ゴシゴシゴシゴシ容赦なく、隅々まで洗われた。
私の体を見た瞬間、まぁ!と声を上げた。
「お嬢様だったのですね。」
「はい…。」
申し訳ございませんと謝られ、この屋敷にはおぼっちゃまの服しかないと言われた。私もヒラヒラしたスカートよりも動き安い方がいいし、大丈夫です。むしろ、ズボンの方がいいです!と答えた。
「ですが、本当にリリアスおぼっちゃまに似ておいでです。」
「?」
どうゆうことだろうと思って、鏡を見た。
うわぁ!!
そこには髪は短いがシャンプーとリンスのおかげで灰色だと思っていた髪が艶がある銀髪になっていた。玄関に飾ってあった姿絵みたいなのとそっくりだった。
私って美少女なんじゃね?!ふふふっ
なんてくだらないこと考えていた。
風呂から出ると公爵様がお待ちですと言われ、部屋に通された。
「おぉ!やはり何度見てもリリアスにそっくりだ。生き写しのようだよ。」
いい笑顔で言われたけどなんて返したら良いか分からない。とりあえず、ありがとうございますと答えた。
「レオにはこれからリリアスとして、過ごしてもらうことになるが、私のことは是非、実の父親のように接して欲しい。」
「はい、こうしゃ…お、お父様。」
かぁぁと顔が熱くなるのを感じた。
そんな急に言われても…と思ったが優しい父親の目をされたので頷いてしまった。
「何不自由なく、過ごしてくれ。欲しいものがあったら好きに買ってくれて構わない。」
そう言って公爵様、いえ、お父様は私の髪をくちゃくちゃっと撫でてくれた。私は久しぶりのお父さんの存在が悲しくなり泣いてしまった。
「うぇっ、ぅぇ、うわーん」
よしよしと背中をポンポンと叩いてくれるお父様の温かさにつられて寝てしまった。
ありがとうございました<(_ _)>