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 笑わないで聞いてほしい。私には前世の記憶がある。それも死んだときのことまではっきりと覚えている。生まれて少し経ったときに自分に違和感を感じ、それをきっかけに思い出したのだ。

 

 私は前世ではなんの変哲もない会社員だった。趣味は料理と読書、それから乙女ゲーム攻略だった。私が転生していたのは前世で大好きだった乙女ゲーム、「白百合の指輪をあなたに」通称ゆりわ。なんかこれはファンの間で呼ばれててダジャレが折り重なってるんだけど、まぁ、そんなもんだよね。ちなみにゆりわ2もあるんだけど、それはまた今度話すことにしよう。


 簡単に言うとこのゲームはお金持ち学校に編入してきた元庶民の主人公が学園の様々な攻略対象と恋に落ちる話しだ。ありがちだがやっぱり王道は面白い。で、この主人公の恋路をことごとく邪魔するのが私、西條麗≪サイジョウ ウララ≫である。この物語にはメイン攻略対象が三人、サブ対象が二人いる。そして、エンドは各キャラにつき3つ、逆ハーレムエンドが1つ存在し、合計16のエンドがある。……ありすぎじゃない?前世でも全ルートを制覇するのはつらかった。いや、面白かったけども。

 なんとそのうち11のエンドで西條麗は退学、破滅、自殺のどれかに行きついてしまうという恐ろしいゲームだ。回避するにはどのキャラでもいいのでバッドエンドに導くしかない。しかし、そうすれば主人公が可哀想になってしまう。私は生まれてから12年、そのことに頭を悩ませていた。


 キャラクターについて説明しよう。

 主人公はデフォルトだと廣中天≪ヒロナカ ソラ≫である。

 それからメインの三人は、北條昴≪ホウジョウ スバル≫、金髪青目の俺様キャラ。

東條誉≪トウジョウ ホマレ≫、青髪で黒目の天才甘えん坊キャラ。

南條響≪ナンジョウ ヒビキ≫白髪金目の優しいお兄さん系キャラ。


 まぁ、この時点でお察しだと思うが私達四人は東西南北を苗字にもつ由緒正しき家系の御曹司だ。それぞれのビジネスは違うが、日本経済はこの四家が握っているといっても過言ではない。私もそんな家系に生まれたのでめっためたに甘やかされてきた。だがしかし、私には前世の記憶があるため、横暴なふるまいはしてこなかった。あくまでも西條家の令嬢として恥ずかしくないように生きてきたつもりだった。

 残り二人の攻略対象は簡単に言えば、先生と私の兄だ。まぁ、この二人は一週目では攻略できないので一週目しかない人生においては攻略はされないと踏んでいる。あくまでも私の望みだが。



 ここまでなんかいろいろと話してきたが、ここが最重要である。私は何とかして死ぬことを避けたい。そのためにはメインの攻略対象の中だと南條響のルートに入るしかない。だがしかし、私は南條響に恋をしている。

 気持ち悪いと思われても仕方がないが、私は前世から南條響ガチ恋なのだ。その相手が近くにいるとなると、私はその気持ちを抑えられない。だから、ここで私は究極の選択をしなければならない。



1、ほかのルートを選択し、潔く死ぬorバッドエンドに導く。


2、南條響をあきらめる。


そして、3、ゲームのシナリオをぶっ壊す。




 当然、私は3を選択する。そのための準備はしている。そして、あわよくば南條響を悪役令嬢が攻略する。幸い前世の知識チートは装備されている。

 さぁこいヒロイン、そして運命という名のシナリオよ。私は絶対にあきらめないぞ。

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