暇つぶし小説 モブキャラの1コマ 海
このページを開いていただき、ありがとうございます。
ギャグ小説の感覚で読んでもらえるといいとおもいます。
青い空、白い雲、そして、輝く太陽
「海だーーーーー!!!」
「山田テンション高いな、というかやめろ、視線が痛い」
「まぁ、気持ちはわかるけどね」
山田、田中、佐藤の3人は海に来ていた。
「お!水着女子はっけーん!話しかけてくるねー」
「おい!バカ!田中やめろ!!!」
それから、10分ほどたった後、佐藤は海を眺めて砂浜に座っていた。
「もう、海、怖い、帰りたい…」
そして、その隣には、田中がガタガタ震えて座っていた。
「いわんこっちゃない。ナンパはやめとけよ」
「いや、だって、予想外ですよ、まさか、連れが893の方々なんて」
「う、うん、まぁ確かに俺もそこまで予想はしていなかったが…」
ぎこちない空気が流れる。少し間をあけて、田中がつぶやいた。
「そうえば、山田はどこ行ったんだ?」
「ん?あいつなら「ちょっと海の果てを見てくるぜ!」って言って泳いで行ったぞ」
「…それ、大丈夫なの?」
「まぁ、あいつのことだから「疲れたー」とか言って戻ってくるだろ」
「それもそうだな」
2人は、ぼーっと空を見上げていた。
「おーい!佐藤!田中!」
ブロロロロロロロロロロ
「お、やっぱ戻ってきたな」
ブロロロロロロロロロロ
「おう、それはいいんだが」
ブロロロロロロロロロロ
「なぜ、海に行ったはずのお前が軽トラの荷台に乗って戻ってきた?」
ブロロロロ…ガチャ
軽トラのエンジンを止め、運転手が下りてきた。力強いおじさま、という印象だ。
「いや〜、海でおぼれちゃってさぁ、そしたら、このおじさんが網で助けてくれてここまで送ってくれたんだ!」
うーん、このおじさまと先ほどから目線が合わないことが引っ掛かる。
「山田が、溺れたところで、たまたま漁をしていたおじさんの網に魚と間違えて引っかかった…とか?」
佐藤が小さくつぶやく。
「んお?じゃ、じゃあ、わしはそろそろ、帰らせてもらうぞ」
あ、この人、黒だ。
それから、2人でおじさんを見送った。
…ん?2人?
「お、おい、もう1人のバカはどこに行った?」
「田中なら…あ、あの水着のお姉さんのところに」
「あいつも懲りないな」
「あ、やっぱさっきのやつ失敗したんだ」
「まぁ、待とう、また落ち込んで戻ってくるだろうからな」
「うん、そうだね」
それから5分経った。
「へぇ、じゃあみんな同い年じゃん!」
「いいね!また今度どっか行こうよ!」
「私、それ賛成!」
俺たちの前には水着女子が3人
((田中の野郎、ナンパ成功させやがった…!!!))
「ありがとう、田中、心から」
「俺は、幸せだ。田中のおかげで」
「礼は要らないぜ、俺は当たり前のことをしただけだからな」
「「田中…!!!!」」
彼女ら3人に聞こえぬよう心がけながら、田中に感激の言葉を贈る。
それから、一時間経った。
「暇だな」
「暇だね」
「暇すぎるな」
3人は大の字になって海に浮かんでいた。
「お前ら、コミュ力何とかならんのか?」
「ごめん、限界だった」
「弁解のしようもございません」
3人の中でコミュ力が高いのは田中のみ、山田はそこそこ話せるが、佐藤は皆無だ。
その結果30分もたたず、空気が悪くなり、水着女子の皆様方は「帰るね〜」と言って帰って行かれた。
…少し経って水辺で遊んでように見えたが、きっと、見間違いだ。他人の空似だ。きっと…
「田中、また、女の子捕まえて来いよ」
「この状況で?何言ってんのさ?」
「山田、ちょっと回り見て来いよ、体力あるだろ」
「体力あってもやりたくはない」
「そうか…完全に遭難したな俺たち…」
「完全に沖まで流されたね」
「なんで誰も気づかない…」
3人は遭難していた。水着女子と別れた後、海に浮かんでいたところ、沖まで流された。
それから、一時間後
「ねぇ、助け来ると思う?」
「さぁ」
「待つしかないだろ」
さらに、一時間後
「さすがに疲れてきた」
「俺もだ」
「うん…」
さらに、一時間後
「3.14159265358979323846264…」
「どうせ、俺が、どれだけ女の子誘おうと、結局彼女ができないんだ…あ、しかも、声かけまくったら、さらに女ったらしで、さらに俺は…」
「shふぃsfふいあひおんこあrjほt!!!1!!!1!!!!」
三者三様にぶっ壊れていた。
さらに、一時間後
「田中、山田、何とかなったな」
「そうだな」
「何とかなっちゃった」
あの後俺たちは近くを通りかかった漁船に助けられた。しかも、さっきのおじさんの船だった。
佐藤は「これが伏線かよ!」と叫んでいた。
「…よ、よっしゃ!こっからが本番だ!」
「お、おう、泳ぐぞ!!」
意気込む三人
『今日は楽しかったね』
『いやーだ、まだ帰りたくない!』
『俺の初彼女だぜ!よっしゃ!!』
『結局成果なかったな…解散!!!』
しかし、周りはリア充、家族連れ、新米リア充、リア充にあこがれた者たち。(最後の者たちには同情する)
それぞれがおかえりムードだった。
「…俺たちも帰るか」
「…そうだな」
「…賛成」
三人ともつかれていたこともあり、その日は海を後にした…
ご拝読、ありがとうございました。
また、暇があれば書くつもりではあります。