死刑執行日
死刑囚は何を見て何を考えるのか、何がしたくて、何をできないのか、冤罪なのか大罪なのか。
異世界征服系、死刑囚ファンタジーです。
最後まで読んでいただけると幸いですm(_ _)m
深い暗闇の中、僕は喘ぐ。
両手にはナイフを、体には血を…
血で血を洗う毎日。
過ぎ去る季節と薄れゆく感情、
そして僕は捕まった。
殺人者殺し…通称は《ダブルキラー》
その名の通り、殺人を犯した者を狩る存在。
平和国日本で名を轟かせている指名手配犯の一人である。数々の包囲網を抜け、見事な手口で殺人鬼を狩り、忽然と消えていく…そんな人物である。
殺人というと聞こえが悪いが、彼が殺しているのは、死刑級の殺人者達。
テレビでは、専門家達が連日、論争を起こし、賛否両論といった感じだ。
死刑級の殺人者を殺しているとはいえ、彼が殺した数は今までで52人。十分彼も死刑にあたることになる。
そんな彼が…捕まった。
これは世間、マスコミに大きな衝撃を与えた。
そして彼の裁判の判決からこの物語は、始まるのである。
「判決、主文 被告人を死刑に処する」
(意外に早かったな)
僕は死刑になった。名前は浅野 祐弥、年は18、世間では殺人者殺しなんて呼ばれている。
僕はこの一年で、沢山の人を殺した。それは決して裁かれなければならない。
人が死ぬニュースを見ると、胸が締め付けられる。
それと同時に加害者への憎悪がフツフツと湧いてくる。その行き場のないはずの思いを、殺して解消する。
それが僕だ。
本当は学校にも行きたい、結婚もしたい、家庭も持ちたい。けど…それよりも憎悪の解消を優先してしまった。
そして、僕は死刑になった、死刑囚になったのだ。
「052番、出ろ」
休憩時間だ。死という絶望から、目を背けられる唯一の時間。僕の執行日は二週間後。
早すぎると思う。さらに驚くべきことは、僕と同じほとんどの死刑囚の執行日もその日ということだ。
疑問に思いつつ、いつもの広場へ向かう。
「おう!祐弥〜、おめーもこっち来て陣取りしよーぜ!」
屈強な大男が軽快に話しかけてくる。彼は大伴 貞治、年は25、愛想笑いが良く似合い、人懐っこさを誘ってくる顔立ちである。起こした罪は暴力団の総本山を焼き討ち。述べ、46人を殺している。
ここの監獄のエリアにはこういった、世の中の悪を始末して死刑になった人が多い。これも疑問である。
「おー、ユーちゃんもやんの?」
上前 夏希、年は24、金髪を肩まで伸ばした青年である。美丈夫だがチャラ男の印象の方が強い。
罪は殺人強盗、サークル仲間が殺人強盗に会い、その報復として殺したそうな。こちらも報復はしたものも、殺しの味をしめたような人ではない。やはり不可解だ。
そこで僕は一瞬、食堂塔の窓辺を見る。
「片桐 雪菜」 通称《爆砕の健脚》
まだ僕はその通り名の理由は知らない。が…
(めちゃくちゃ綺麗な人だなぁ〜)
正直言って一目惚れだ。
肌は雪のように白く、結わえてある漆黒の長髪と相まって、遠くからでも輝いて見える。
長いまつ毛に、ジト目、桜色の唇が艶やかに光るたびにゾクっとするものがある。
表情の変化が乏しく、スラリと伸びた細い四肢でゆったりと立っていて、神秘的なものを感じるほどに美しい。
「ブっはあ⁉︎」
顔面になんか当たった。あっ、ドッジボールか…
「なーにしてんだよ〜」
「ごめんごめんボーッとしてた」いやマジで…
初めて感じた恋の味と仲間と馬鹿やっていった僕の囚人生活は、あっという間に終わり、そして僕らはその日を迎えた。
執行日当日
何故か僕らは、死刑囚達は地下の、コンクリートで覆われた窓など何もない部屋に集められた。
「なんなんだよ、これぇー」
「逆にこえーよ」
「マジでなんなんこれ〜!」
(まとめて処刑でもするつもりだろうか)
ここにきて不可解なことが続くと、恐怖すら感じる。
部屋全体がざわつく中、壁の一面にかけられていたプロジェクターが光り始めた。
「なんだ⁉︎」
「さあ…?」
再びざわつく中で映し出されたのは少し年配の軍服姿の男性である。服から察するに自衛隊だろう。
「いいか、お前らにはこの国の領土拡張のために異世界へ行ってもらう!」
「⁉︎」
僕ら死刑囚に課せられた非日常的な刑務作業が
今、始まる…
初投稿です!
初めまして流浪の民です。
この度は本作品を読んでいただきありがとうございます!
これからもチマチマ小説投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします(*^^*)