俺だけは召喚される事は無い
「もう1つ聞いても良いすか?」
「何かね?」
「俺以外の連中はどこですか?どこにも見当たらないんすけど」
何度も周りを見渡したが、どう見てもこの空間には神と敬一の2人しかいない
「ん?その件か~、そうだね。言いにくいんだけど、言わなきゃことが先に進まないもんね~。君がいや君だけがここいる理由。それはね君が唯一勇者召喚に耐えきれず死んでしまったからなんだよ。君の魂が勇者召喚に耐えきれ無かったから」
「は?俺が死んだ?何・・言ってんだよ。身体のどこも痛くねえしなんとも無いんだぞ!そんな話聞いた事もねぇ~し!」
青ざめた顔しながら、神の言葉を受け入れられずにすぐに抗議した。
「だろうね。聞いた事なんてそもそもある訳が無いと思う。でもね君が死んでしまったのは事実なんだよ。魂が勇者召喚に耐えきれず、肉体は消滅し魂は激しく損傷し消えかけていた。そこてま僕が君の魂を保護し、仮の入れ物に入れた訳。ちなみに入れ物は肉体の事さ」
「そんな事ってあるかよ」
(俺だけ死んだ・・・・・そんな、そんなのありかよ。何でだよ、何で俺だけ。何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で!)
「これはまずいね」パチン
神が指を鳴らすと、敬一に光が降りそそいだ途端敬一の表情が徐々に良くなってきた
「すまないね~単刀直入に言い過ぎたかな。一応精神を回復してみたけど、どうかな?」
「・・・・・あぁ、ありがとう。何か気持ちが楽になったよ」
「それは良かった。さて、続きを話すよ。君以外の子達は無事に召喚を行った世界に召喚される事になっている。で君の事なんだけれども、君には召喚先の世界に転生して貰うよ。どんな手段であれ、行って貰わなければこちらが困るし」
「転生?転生させてくれるんすか!もう一度生きられるって事すか!そんなラノベみたいな事って」
「あるよ、転生した者は結構いるしね。それでだ君は異世界に行く訳なんだけどね、まぁうちの部下が勇者召喚に巻き込まれた者達の保護を行えなかったからね。世界が多過ぎて、監視する神が足りてなくてね。所詮人員不足というやつさ。」
「人員不足とか神様にもあるんだ」
「そこでだよ、白石敬一君!君にはお詫びを含め特別に3つの願いを聞きいれた上で転生して貰おうという訳なんだ!本来は1つのみだが特別に3つだ!どうかな~?」
突然妙にテンションを上げ始めた神に対し少々、引いたがお詫びとはいえ叶えられる望み、いわば転生の特典にかなり興味がある為真剣に聞く事にした
「お~っとすまないね~、僕はたまにしか転生させたりしないから。普段は僕よりも下級のものがやるからさ。それに楽しみなんだよね~転生する者が何を望むのか!これがなかなか興奮するんだよ、望みよっては転生後の人生が変わるしその者がどのように生きていきたいのかもわかるしね~。ワクワクしてしまうよ!」
「そっそうすか」
(転生させる側の心情って、こんな感じなのかぁ。どんなラノベや漫画でも転生させる側の気持ちとかは書かないからな、初めて知ったよ)
顔を引きつらせ少々ドン引きしつつ、なんとか自分を納得させた