クラス全員に何があったのか
「・・・・・んん、・・あぁっつ。・・・・何だっつんだよ。とりあえず・・五体満足だな、身体は何ともねぇ~けど。ここはどこなんだ」
目を覚ました敬一は身体に異変は無いか確認し、周りを見渡した。
敬一がいる場所は白い床、白い空間に星空の天井がひろがっていた
「どこなんだよここは、俺だけ別の場所に移動させられたのか?何が目的なんだよ!」
今までの人生で今だかつて味わった事の無い事態に、慌てずにはいられなかった
「くそ!!栄次達はどこにつれてかれたんだ!」
「ふむ、元気なところを見るとどうやら身体に異常は無いみたいだね。即席で作った入れ物だったんだけど」
「っ!?誰だ!」
突然背後から聞こえてきた声に、驚いたが急いで振り向いた。
敬一の背後には金髪金目のものすごいイケメンの男が立っていた。
「誰だ!」
「まあまあそう熱くならないで、白石敬一君。と言ってもこの事態では無理もないのかな。君にとってはまるでファンタジーな誘拐だからね。・・・とそうだ、僕が誰だったかだよね。そうだね~理解しやすく言えば、君に理解できるレベルで言えば種族は神だね。もっといえば最も偉い神様だよ」
「神様って、そんなんいる訳無いだろ。べらべら長い溜めをいれてまで嘘つくなよ」
ん~と頭を抱え込みながら金髪金目のイケメンは考えこみ始めた
「そんなアニメみたいな考え方する奴いねえだろ!考える振りは止めろよ」
「あれ?わざとらし過ぎたかな。そういえば君は神を信じないタイプだっけ。そうだね~まぁ口で言うより理解させた方が早いかな。それ!」
トポンとまるで水に指を突っ込んだような音やわたて、イケメンは敬一の額に指を突き刺した。その途端敬一の脳に激しい痛みが発生し、それと同時に莫大な量の情報が流れ混んできた。
あまりの激痛に頭を抱え込み、地面をのたうち回った。
数分後ようやく痛みが治まり、全身に汗をかきながら立ち上がった。
「なるほどな、何だかわかんねえけど。理解はした、信じるよ。全てを創造した神様」
「そっか、それなら良いんだ。その為にした事だしね。本来なら下の神達にやらせるところだったんだけど、まぁ~暇だったから来たんだよ僕が」
「暇とかそんな理由すか。ま、そんな事はどうでも良いや。それよりも説明してくださいよ。俺や他のクラスメート達に何が起きたんですか!」
「そうだねその説明はして無かった。君も本や漫画などで知っていると思うが、勇者召喚というやつさ」
「そりゃ知ってるよ、俺オタクだし。そういうジャンル好きだしさ。でも実際にそんな事が起こるなんて」
「起こるさ。ああいうのは前世で実際に体験した事を無意識に作者が書いた物だよ。ヒットしている作品のいくつかはね。今回それを行ったのは第19827世界"ルシュム・レルディア"だね。まったく困ったものだよ。本来は君のクラスメート1人を召喚しようとしたみたいだけど、近くにいたのが原因で皆巻き込まれたようだね。君のいた星では前代未聞の事件だと大騒ぎさ」
「そっか親父も母さんも、心配してんだろうな」
敬一はなんともいえない寂しさと悔しさで、座りこんでしまった。