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三日で終わらす異世界転移  作者: 岸野 遙
一日目 ~旅立ちに変態を~
24/60

1/10 04:00

 藍色の、紫の、赤の。闇の時間を斬り払い、夜を西へと追いやり、空に色が広がっていく。

 そんな、涙が出るほど美しい自然―――を、見ている暇なんてないんだよな。

 東の空から、眼前の森へと目を向ける。

 まだ太陽が出ておらず、森の中は暗いけれど。程なく日も射すだろう、今は少しでも早く強くなりたい。


 手のひらを開き、握る。腕を回し、身体をほぐす。

 レベル20の時ほどの力は感じないけれど、それでも身体が軽くキレがいい。

 これならなんでも出来そうな気がしてくる。なんせオレは、三日勇者だしな!


 そうやって一生懸命自分を奮い立たせるけど、暗い森に足を踏み入れるのはやっぱり怖かった。

 えっと、森に入る前に、自分の事もちゃんと確認しておこう。

 オレは少しの不安を自覚しつつ、気にしないようにしてステータスを呼び出した。



----------------------------------------

■ 詳細ステータス

● 基本情報

名前 : 北村 宿禰 【読:しゅくじ】

職業 : 勇者    【仮】

レベル: 1     【世界最高カス】

性別 : 男     【童貞】

年齢 : 20歳   【彼女イナイ歴】

● 能力値 

 筋力:  8     【女神様は最高】

 体力:  8     【凄い頑張った】

 敏捷:  8     【感謝しなさい】

 器用:  8

 知力:  8

 精神: 10

 魅力:  7     【魅力……的?】

 幸運:  2     【幸運は限界値】

● スキル      【毎日百回祈れ】

 残りスキルポイント : 20

● 称号

異世界人 脱・裸族 勇者の無精卵 天使に兄と呼ばせる変態

----------------------------------------



「ちげーよ!」


 怒りを込めて、全力でステータスを地面に叩きつけようと


 ひらり


「かわされた!?」


 前回の冒険で、オレにされるがまま地面に叩きつけられて弾んでいたステータス画面。

 だが、あろうことか、オレの手をひらりと躱して手の届かないところに逃げやがった!


「ぐ、ぐぬぬぬ……」


 ステータス画面を睨み付けると、器用にぺらぺらの身体?を捻って、右上のかどを2つに割って先をとがらせ音のない口笛?を吹いた?


 お、おおお、おのれえええええ。

 もう一度掴みかかったが余裕でかわされ、まるで右下と左下の角を足のようにちょっと伸ばしてぴょこぴょこ跳ねてやがる!

 くあああ、許せない、言わせろ!



 オレの名前、スクネだし! スクネって散々呼んでたろうが、シュクジじゃねーよ! 電報かよ!

 なんで同じ1レベルなのに、前回のゴミカス未満から世界最高カスまでバージョンアップしてるんだよ! 最高なのかよ、最低じゃないのかよ!

 彼女イナイ歴……ぽっ。あ、いやいやいや。彼女はまだいないし、の、のーこめんとで。

 能力値は確かにすごい上がってる、感謝するよ。女神様仕事したよ、凄い頑張ったの認めるよ。

 でもどうして魅力が疑問形なんだよ、ステータス高いのに魅力的じゃないと言いたいのかよ!

 あと、幸運が2で限界値ってどういうことだよ、どんだけオレ不幸なんだよ!

 スキルポイントはありがとうございます! 10点でも初期ポイントはすごい嬉しいです!

 普通に服着てるのに、どうして脱・裸族とか書くんだよ。裸族から何をどう脱ぐんだよ、脱ぐものないからこそ裸族なんじゃねーのかよ!

 天使に兄と呼ばせる変態ってどういうことだよ、マギアの頃からフィアが勝手にオレを兄って呼んでるんだよ、天使って知らなかったよ! 呼ばれて嬉しいし思わずにやけちゃうしフィア超可愛かったけどオレが呼ばせてるわけじゃねーよあくまでフィアの自由意志だよ変態じゃねーよ!


―――だが、それら全部より何よりも、まず一番に突っ込みたいのは!


「なんでステータス画面が動くんだよ!」


 もうわけわかんねーよ、不必要な所に力入れすぎだろ! だったらその分、1点でもスキルポイントくれよ!




「―――はっ」


 肩で息をしながら、色んな意味で意識を取り戻す。

 いかんいかん、余計な事に時間と体力を使ってしまった。まずはレベル上げをしなければな。


 ステータス画面を消そうとしたところ、ぷるぷる震えた後に無事消えてくれた。本当に良かった。ほんっっとーに良かった。

 あんなのと一緒に冒険してたら、ストレスでハゲる。

 出来るだけステータス画面は見ないようにしようと密かに誓いつつ、オレは軽く頬を叩いて意識を切り替える。


 感謝はしないが、おかげで緊張やら不安やらは落ち着いた気がする。

 よしっ、ここで立ち止まってても何も進まない。ちょっと空も明るくなった気がするし、行こう!



 とりあえずSPボーナスを1ランクだけ取得し、オレは森へと足を踏み入れた。


 ステータス表示だけで一話とか、ステータス画面さんぱねぇっす。

 ステータス画面さんの次回の活躍にご期待下さい。



 区切りの問題で、短くてごめんね?

 予想以上にはっちゃけました。ステータス画面さんが。




 短かったので、活動報告に『エピローグ、その後に』についてだらだらと掲載。

 お暇な方は、そちらでお茶でも濁して下さいませ。


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