エピローグ
5月2日
試合後の楽屋では、第2営業部と美部家の面々、さらには鷹姫や両セコンド達が集まっていた。
「無事に試合が終わったということで、乾杯」
『乾杯!』
彩菜の音頭で全員が乾杯をした。
「でも、お母さんがプロレスラーだったなんて驚きだよ」
ここまで言えば、というかすでに大体の読者は6章の時点で分かっているとは思うけど一応説明すると、ブルーサンダーが彩菜、レッドファイヤーが藍、変態もといオヤジっ娘が喜洋だ。
夕凪の言葉に彩菜は微笑みを返した。
「ごめんね。私が怪我したばかりにこんなこと頼んじゃって」
藍が彩菜の元にやって来た。
「いいのよ。私と藍の仲じゃない」
すると、鷹姫達が彩菜の回りに集まった。
「今日は本当にありがとうございました!」
「ごめんね。エキジビションとはいえあんな終わり方で」
「いえ!対戦出来ただけでもとても光栄なことです!」
頭を下げる鷹姫を優しい笑顔で見る彩菜。
「延期されたレッドファイヤーとの下剋上戦、期待してるからね」
「ありがとうございます!あの~。1つお願いがあるのですけど」
「何かしら?」
「一緒に記念撮影お願いしてもいいですか?」
「いいわよ」
彩菜はマスクを被って鷹姫の横へ。それを見ていたセコンド達が「私も」「私も」と騒ぎだした。
そんな女性陣の向こう側では、いまだに起きない喜洋を心配そうに大亮が見ていた。
「大丈夫なんですか?」
「父さんはそれぐらいでは死にませんから」
徹平はそう言うとスーっと喜洋から離れていった。
「ホントに?」
「大丈夫だって」
記念撮影を終えた彩菜は笑いながらやって来た。
「それより、この小説のほうが大丈夫じゃないわね」
彩菜が俺を見てきた。
どこかいけなかった?
「どこがって言えば、最初から全部でしょ」
藍もやって来た。
最初から?
「プロローグって普通、物語の始まりを書くか、終わりの1部を抜粋して書いてそこを目指して物語を進めるかするものなはずでしょ」
そうだけど?
「だったらプロローグの話はどこいったの?」
「それに結局青年が最後まで出てこなかったし」
2人がじっとこっちを見てきた。さらには夕凪も近づいてきた。
あ~。気にしない気にしない。
「気にしないってね」
彩菜は呆れていた。すると夕凪が、
「そんなんでいいの!?」
いいんだよ。なんだってこれは俺が趣味で書いている小説なんだから、俺が楽しめればそれでいいの。
それに、それを言い出したらこうして物語に作者が干渉していることから異常なんだから。
「言われてみればそうね」
「お母さん!納得しちゃ駄目でしょ!」
それに大丈夫だって、忘れなければプロローグの話もそのうちするし、青年もちゃんと登場させるから。
「忘れたら?」
お蔵入り?
「作者!」
と、いうわけで2巻でお会いしましょう!
「まだはな
~続~