プロローグ
5月4日
「来たぞ!花咲ランド!」
そう言いながらはしゃぐ父親。
「お父さん。いい歳なんだから落ち着いて」
長女になだめられたが、それでも落ち着くことなくはしゃぎ続ける父親。
「せっかく花咲ランドに来たんだからはしゃがないとな!」
父親は隣に立つ長男と肩を組んだ。
「そうだよねーちゃん!楽しまなくちゃ!」
長男は長女を見て笑った。
「わかってるけどお父さんははしゃぎすぎ!」
父親を指差した長女。しかし、父親は気にすることなく笑っていた。
そんな父親を見て長女は呆れながらため息を吐いた。
そんなやりとりを少し後ろで冷静に見ている次男と微笑みながら見ている母親と青年。
「早く早く!」
肩を組んでいる父親と長男の間を開けて入り込んだ三男が2人を急かした。
「そんなに急がなくても花咲ランドは逃げたりしないから」
まるで母親のように三男を諭す長女。
「でも時間は有限だ!だから突撃ー!」
そう言って長男と三男を連れて花咲ランドに突撃する父親の背中を見ながらまたため息を吐いた長女。
しかし、放置するわけにもいかないので小走りで3人を追いかけ、その後ろを母親・次男・青年の3人が歩いてついていった。
と、出だしをこう書いたはいいが、どうしてこうなったか説明しないといけないのだろうか?
「当たり前だろ」
「ですね」
「早くしてね」
今までのほほんとしていた青年・次男・母親の3人からツッコミを受ける作者の俺。
そうだな~。そうなんだよな~。だから回想を始めようと思うんだけど、どこから書けばいいものか…。
「作者なんだから頑張って自分で考えろ。そして書け」
青年にこう言われたことだし頑張って考えて書くことにしよう。
そうだな~。週の始めぐらいまで遡るとしよう。それぐらいが無難でいいだろう。
と、いうわけで週の始めの月曜日。
とある県のとある町からこの物語は始まるのであった。