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ノボルヒ  作者: エトーのねこ
第まる章、「除幕式代わりの前提条件説明」

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「世界帝国大日本」

 昭和二十五年、太陽暦に直して2626年。戦争叢書の研究も大詰めになっている頃、旧合衆国統治作戦もまた佳境を迎えていた。大帝派遣諮問会の占領軍政府顧問に志願した、そしてそれは「その人物」にとっては前職に比べて明らかに格落ちだというのに志願したわけで、その志願は今なお「その人物」の謙虚さを象徴するものと語り草であった。

 そして、()は昭和三十年に役目を終えて帰還するのだが、その後しばらくして占領軍政府顧問の功績もあって首相に就任した。曾孫が生まれるまでの限定を付けて行われたその政権は、大日本帝国が世界で唯一の一等国家となった現状を前提としたものとはいえ、順当と言うべきものであった。まず彼が行ったのは、核兵器の制限ではあったものの、それはもちろん大日本帝国が核兵器を独占するためであり、更に言えば軍縮条約もまた大日本帝国が世界の皇帝としての立場を揺るがぬものとするためのものであり、いわば大日本帝国がイギリスから受け継いだ覇権国としての立場を揺るがぬものとするための準備運動とも言えた。では、なぜそれが偉業として今なお讃えられるのか。

 それは、その国際条約によって白人と支那朝鮮以外が損を一切引かなかったからである。以後、ヨーロッパは世界大戦の傷跡を治すこともできずに退潮することとなる。

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