第2話:ガドの遺産と、修復師の少女
1. 追われるルカと、旧時代の遺物
古代叡智学園を追放されたルカは、『叡智の継承者団』の厳重な監視網から逃れるため、都市の最下層、かつて王都の地下街だった『旧市街』に身を潜めていた。ここでは、リリアンの古代魔術ではなく、ガドが設計した古いタイプの魔導具を修理して暮らす、貧しい人々が多く住んでいた。
ルカは、リリアンの残したメッセージにあった「真の意志」の手がかりを探していた。しかし、彼の持つ規格外の無詠唱魔術は、制御が難しく、すぐに周囲に騒ぎを起こしてしまう。
「おい、またあそこの魔導ランプが爆発したぞ! 規格外の落ちこぼれのせいだ!」
人々からの冷たい視線に耐えながら、ルカは修理を試みるが、現代の精密な魔導具は、彼の直感的な魔力と相性が悪かった。
2. 天才技師の末裔
ルカが途方に暮れていると、古いガド式の魔導船の残骸が置かれた修理工場を見つけた。そこには、ルカと同年代の、薄汚れた作業着を着た少女が一人、複雑な配線を調整していた。
少女はルカの持つ不安定な魔力を見て、冷静に指摘した。
「あなたの魔力は、この時代の魔導具とは周波数が合わないわ。制御が繊細すぎるの。あなたは、『古代の技術』が必要なタイプよ」
ルカは驚いた。彼女はルカの魔力の特性を、正確に見抜いた。
「あなたは誰だ?」
「私はナノカ・ギガス。ただの魔導具修復師よ。でも、曾々祖父は、リリアン様の船の技師だったらしいわ」
ナノカは、ルカが探していた天才魔導具師ガドの血を引く末裔だった。彼女の工場には、ガドが設計した古いタイプの魔導具や、現代の学園では失われた「直感的な調整技術」の資料が残されていた。
ナノカは、ルカの規格外の無詠唱魔術を制御するための、ガドの遺産である*『魔力増幅リング』をルカに手渡した。「これは、曾々祖父が、規格外の魔導師のために設計した、古い魔導具。現代の学園じゃ、誰も使えないわ」
3. シエルの残した痕跡
ナノカの協力で魔力増幅リングを装着したルカは、不安定だった魔力を一時的に安定させることができた。
ルカは、リリアンのメッセージにあった「世界の崩壊を招く、最後のタブー」の手がかりをナノカに尋ねた。
「世界の崩壊? そんなの神話の中の話よ」ナノカは笑い飛ばしたが、工場の片隅に置かれた、古い通信装置を指差した。「ただ、一つ気になるものがあるわ。これは、曾々祖父が『伝説の兄妹』から託された通信機で、300年間、誰も解析できなかった『奇妙な魔力パターン』を記録しているの」
ルカが通信機を調べると、その魔力パターンは、かつてルシウスの妹として救出されたシエラの「純粋な魔力波動」に酷似していた。その波動は、古代の通信記録と共に、「世界の遥か外側から飛来する、異常なエネルギー」について警告していた。
通信記録(断片): 「……異常なエネルギー体が、数百年周期でこの世界に接近している。これは、ガイア・システムや浄化プログラムとは違う。外宇宙の脅威だ。リリアン様は、その脅威を止めるための『最終兵器』を、この世界に隠した……」
4. 継承者団の追撃
ルカが古代の脅威に近づいたことを察知した『叡智の継承者団』が、旧市街に追撃部隊を差し向けてきた。
「見つけたぞ、異端者ルカ! 貴様の異質な力は、世界の秩序を乱す!」
ルカは、ナノカから受け取った『魔力増幅リング』を使い、規格外の無詠唱魔術を発動させた。制御の難しい魔力が、リングを通じて増幅され、強力な防御障壁となって追撃部隊の攻撃を防ぐ。
「ナノカ、ありがとう! この力で、リリアン様の真の意志を探し、この偽りの秩序を打ち破る!」
ナノカは、ルカの無謀な目に、曾々祖父が語っていた伝説の光景を重ねた。「……行って。でも、壊したらちゃんと直しなさいよ!」
ルカは、ガドの技術を継ぐナノカの協力を得て、リリアンが封印した『最終兵器』と、外宇宙の脅威という新たな敵に立ち向かう旅を始める。
第三章・第2話、お読みいただきありがとうございます!
新キャラ、ナノカ・ギガスの登場です! 彼女は、天才魔導具師ガドの技術を継ぐ、心強い仲間! そして、ルカの無詠唱の力を制御するための『魔力増幅リング』という重要アイテムもゲットしました!
さらに、ルシウスの妹シエラが残した通信記録から、新たな敵は「外宇宙の脅威」ということが判明! 浄化プログラムとは比べ物にならない、壮大な危機が迫っています!
リリアンが隠したという『最終兵器』を巡る、ルカの探求の旅が本格化します! 次回もどうぞお楽しみに!




