第9話(最終決戦):叡智の雷鳴と、歪んだ秩序の崩壊
1. 王都タワーへの強行突入
古代叡智研究都市の中心、かつての王城タワーの頂上。アルベルト王子は、12信導公爵に守られながら、魔力統制装置を起動させ、世界への支配を完成させようとしていた。
その瞬間、都市を囲む魔力障壁が、シエルが放つ圧倒的な自然魔力によって一瞬だけ解除された。
「今よ、ガド!」リリアンが号令をかける。
ガドが改造した古代魔導船は、その隙を突き、常識外れの速度でタワーの最上階へと突入した。
船体がタワーの壁を突き破り、リリアンたちがゼロとシエラを救った時の姿そのままに、アルベルトの眼前に降り立った。
「リリアン! 貴様は、最後まで無秩序を愛する偽りの救世主だ! 私は、貴様から学んだ知識で、この世界に絶対的な安定(支配)をもたらす!」アルベルトは狂気に満ちた眼差しで叫んだ。
2. 知識と力の激突
アルベルトが放つのは、リリアンから植え付けられた知識を基にした、広範囲の古代魔術『位相偏向弾』! それは、リリアン以外の魔導師の魔力を打ち消し、無力化する極めて危険な術式だった。
「知識を歪ませたあなたに、本物の古代魔術の制御は不可能よ!」リリアンは、冷静に『古代魔術:演算結界』を展開した。
リリアンの結界は、アルベルトの術式が持つ計算上の矛盾を瞬時に解析し、彼の攻撃を完全に無力化する。
「な、なぜだ!? 貴様の術式は、私の知識と矛盾しないはず!」アルベルトはパニックに陥る。
ルシウスが、アルベルトに向かって咆哮した。「愚か者め! 先生の魔術には、『世界への愛と責任』という、お前の知識に欠けている『最終補正因子』が組み込まれている! お前の知識は、エゴに基づいた不完全なコピーにすぎない!」
3. ガドとシエル、究極の連携
その隙に、12信導公爵たちがリリアンたちを包囲する。
「お前らごときに、先生は渡さない!」ガドは、魔導船から取り外した巨大な『古代魔術対抗用バスターキャノン』を構えた。
キャノンは、リリアンの『演算結界』の出力を増幅させ、12公爵の攻撃を一網打尽にする。
そして、シエルが、タワー全体を包み込む『妖精王の自然魔力』を発動させた。これは、アルベルトが支配する魔力統制装置の人工的な魔力位相を乱し、制御を麻痺させるための最終手段だった。
4. 最後の「ざまぁ」:叡智の雷鳴
魔力統制装置が麻痺し、アルベルトの支配の土台が崩れ始めた。アルベルトは、最後の力を振り絞り、自身の肉体に全ての古代魔術の知識を収束させた、狂気の最終奥義を発動させる。
「リリアン! 私こそが、世界の真の秩序だ! 古代魔術:絶対支配!」
アルベルトの体から、タワー全体を破壊するほどの凄まじい支配の魔力が噴き出す!
リリアンは、その力を正面から受け止めた。彼女は、知識と感情の全てを込めた、たった一つの術式を放つ。
『古代魔術:叡智の雷鳴』!
リリアンの魔術は、アルベルトの放つ支配の魔力を一瞬で解析し、その根源にある『支配欲』そのものに干渉した。
「知識とは、支配ではない! 世界を愛することだ!」
リリアンの叡智の雷鳴が、アルベルトの肉体と精神を打ち砕く。彼は、世界の管理者としての狂気を完全に失い、ただの、全てを失った一人の男として、地面に崩れ落ちた。彼の瞳に宿っていた狂気は消え、残ったのは、過去の自分の傲慢さを知ったことによる、深い虚無だけだった。
5. 平和への帰還
アルベルトの敗北と共に、12信導公爵の支配も崩壊した。リリアンは、魔力統制装置を修復し、世界に真の自由と秩序を取り戻した。
シエラは無事救出され、ルシウスの「妹」として、最強のパーティに新たな暖かさをもたらした。改心したイザベラは、贖罪を終え、再び平和な日常へと戻っていった。
リリアンは、完全に無力化されたアルベルトを一瞥し、静かに言った。
「あなたの歪んだ秩序は、この自由な世界にはもう必要ない。二度と、この知識を悪用することはできないわ」
リリアンは、自身の知識を悪用しようとする者、世界を支配しようとする者を完全に打ち破り、真の救世主として、未来永劫、世界の指導者として君臨することになった。
【完】
第二章、そして物語の完結までお読みいただき、本当にありがとうございました!
最終決戦、リリアンVS覚醒したアルベルト王子、いかがでしたでしょうか!? リリアンちゃんの『叡智の雷鳴』が、アルベルトの歪んだ支配欲を打ち砕く展開は、最高のカタルシスでした! 「知識とは、支配ではない! 世界を愛することだ!」というリリアンちゃんの信念が、物語全体を貫くテーマとして、見事に結実しましたね!
イザベラの贖罪、ルシウスとシエラの兄妹愛、そしてガドとシエルの活躍も含め、最高のパーティで世界を守り抜く姿は圧巻でした。
リリアンちゃんは、これで完全に過去のしがらみから解放され、知識と愛をもって、未来永劫、世界を導く存在となりました。
ご愛読、心より感謝申し上げます!




