第8話:12信導公爵と、歪んだ秩序の支配
1. 狂気の教団、12信導公爵
リリアン一行が地上に戻った時、古代叡智研究都市を囲んでいた魔力障壁は、アルベルトが結成した新たな組織『12信導公爵』の支配下に置かれていた。
彼らは、リリアンから得た古代魔術の断片的な知識を神格化し、アルベルトを「世界の真の管理者」として崇拝していた。
ルシウスが傍受した通信を解析する。「アルベルトは、魔術革命に不満を持つ旧王族支持者や、力を求める狂信的な魔術師たちを束ね、彼らを『12信導公爵』と名付けています。彼らは、リリアン先生が解放した古代魔術の力を独占し、各地のエネルギー供給施設を占拠しています!」
「信導公爵……つまり、支配を正当化するための、歪んだカルト組織ね」リリアンは冷たく言い放った。
都市のスピーカーから、アルベルトの歪んだ、しかし力強い声が響き渡った。
アルベルト:「愚かな民よ! 偽りの聖女リリアンは、貴様らに『自由』という名の無秩序を与えた! 世界は今、混乱している! 我々、12信導公爵こそが、リリアンから継承した真の古代の力をもって、絶対的な『秩序』を世界にもたらす!」
彼の演説は、人々の恐怖を煽り、さらに混乱を深めていた。
2. 歪んだ知識の悪用
ガドが、都市のエネルギー系統の情報を分析し、焦りを見せる。「信導公爵の連中、リリアン先生が設計した古代魔術のエネルギー伝送路を、逆に『魔力統制装置』として利用しています! このままでは、都市全体の魔力供給が彼らに支配され、古代魔術を使っている市民が暴走させられるか、魔力を奪われてしまいます!」
シエルが、憤怒の表情で言った。「アルベルトは、リリアンが世界を救うために公開した知識を、支配の道具として使い始めたのだな!」
リリアンは、冷静にゼロの魔力を解析した時と同じような冷徹な瞳をアルベルトに向けた。
「彼は、私が与えた『知識』を、『力』としか捉えられなかった。その知識には、『制御』と『責任』という最も重要な要素が含まれていたのに。彼の傲慢さは、もはや治療不可能ね」
3. 妹シエラの不安と、ルシウスの決意
リリアンの古代魔導船の船室で、目を覚ましたシエラは、外の喧騒とアルベルトの狂気に満ちた演説を聞き、不安に震えていた。
「お兄ちゃん……この人、怖いわ。世界を壊そうとしているの?」シエラは、ルシウスの服の裾を掴んだ。
ルシウスは、優しくシエラの頭を撫でた。「大丈夫だ、シエラ。彼は、知識を歪ませた愚か者にすぎない。先生と私たちが、必ず彼の歪みを正す」
ルシウスは、シエラを安心させると、リリアンに進言した。「先生。この12信導公爵を打ち破るには、組織全体ではなく、アルベルトの『信仰の核』を崩壊させる必要があります。彼の知識のソースを逆手に取り、彼が崇拝する『古代魔術の神聖さ』を打ち砕きましょう」
4. 最後の決着、王都へ
リリアンは、ルシウスの提案を受け入れた。「ええ。アルベルトの『王族のプライド』と『支配欲』が生み出したこの混沌は、彼自身の『知識の絶対性』を打ち砕くことでしか終わらない。彼の狂った支配を終わらせるわ」
リリアンは、かつての王城、現在の『古代叡智研究都市中央タワー』へと視線を向けた。アルベルトは、そこで自らを世界の管理者として君臨させている。
「ガド、魔導船を限界まで改造して。シエル、あなたの魔力で都市の障壁を一時的に解除する。ルシウス、あなたは私と同行し、アルベルトの知識の矛盾を突く。最後の王族との決着よ」
リリアンたちの最強パーティは、歪んだ知識と支配欲に取り憑かれたアルベルト王子、そして彼が創り出した狂気の組織『12信導公爵』を打ち砕くため、旧王都の中心へと強行突入を開始した。
第8話、お読みいただきありがとうございます!
アルベルト王子、ただの元王子ではなく『12信導公爵』という狂気の支配組織のボスとして再登場! リリアン先生が与えた知識を、支配と秩序のための道具として悪用するとは、悪役として完璧に覚醒しましたね!
リリアン先生の最後の戦いは、「知識の正当な使い方」を巡る戦いになりました。ルシウスの「知識の核を崩壊させる」という戦略も冴え渡っています!
次回は、ついにアルベルトとの最終決戦! 知識と支配欲が結びついた、最も厄介な敵を、リリアンちゃんはどう打ち砕くのか!? 最高のクライマックスに向けて、全速力です! 続きもどうぞお楽しみに!




