第7話:エデンの決着と、地上世界の混沌
1. 浄化プログラム、寸前の阻止
魔術式都市『エデン』中枢。リリアン、シエル、ガド、ルシウスは、残り時間わずか数秒で、浄化プログラムの最終起動システムに辿り着いた。ゼロが、意識を失ったシエラを認証パネルに固定し、破壊魔術を最大展開している。
「間に合え、ガド!」リリアンが叫んだ。
ガドは、ルシウスの知識とイザベラの感性で完成させた『超精密魔導具』を構えた。「食らえ! 古代のバックドア・シーカー!」
ゼロが破壊魔術を放ち、リリアン一行の魔力を無力化しようとしたその一瞬の無防備を捉え、ガドの魔導具が特殊周波数の振動を射出した。
ギュィィィン!
その周波数は、ゼロの破壊魔術の影響を全く受けず、浄化プログラムの制御盤に直接作用。システムは瞬時にフリーズし、シエラの認証も解除された。
「な、なぜだ!? この破壊魔術は、古代の理を無力化するはず!」ゼロは動揺する。
リリアンは、無力化されたゼロに向け、冷静に古代魔術を放った。「あなたの破壊魔術は、人の手によって作られたバックドアの前には無力よ。それは、世界の真の調和とは、管理ではなく、人の意志によって生まれるという証拠だ」
リリアンは、ゼロの装甲の制御を奪い、彼を無力化することに成功した。シエルがシエラを抱き上げ、ルシウスが安堵の表情を浮かべる。
「お兄ちゃん……」シエラは、薄く目を開け、安堵の涙を流した。
2. 最後のタブーの回収
リリアンは、浄化プログラムのシステムコアを解析し、この危険な古代のタブーを完全に封印する方法を見つけ出した。
「ガド、このコアを、『深淵のアーカイブ』で得た古代の封印術式で完全に隔離するわ。二度と、この技術が世界を脅かすことがないように」
リリアンたちは、ゼロと浄化プログラムのコアを回収し、古代魔導船で地底都市アガルタを後にした。妹シエラは救われ、古代のタブーは封印された。世界は守られた――はずだった。
3. 地上世界の異変
魔導船が地上世界、古代叡智研究都市へと戻ると、彼らを待っていたのは、安堵や歓迎の空気ではなかった。
空は重い魔力で覆われ、都市の周囲には、大規模な魔力障壁が展開されている。人々の顔には、恐怖と混乱の色が浮かんでいた。
「な、何だこれは!? 街がまるで、軍事基地のように厳戒態勢に入っているぞ!」ガドが驚愕した。
ルシウスが、都市の通信を傍受し、青ざめた。「先生……! 地上世界が、完全に混乱しています! 『アルベルト王子の反乱』、そして『古代魔術による武力支配』のニュースが流れています!」
リリアンは、眉をひそめた。アルベルトは、あの時、無力なはずだった。
4. 歪んだ秩序による混沌
ルシウスが、さらに詳しい情報を読み上げた。
「元アルベルト王子が、リリアン一行が不在の隙を突き、彼がリリアンから得た古代魔術の断片的な知識を悪用し、残存する旧王族支持者や、魔術革命に不満を持つ者たちを扇動。『世界の秩序を、絶対的な力で再構築する』と宣言し、各地の古代魔術エネルギー施設を掌握しました!」
「彼は、リリアン様が創られた『自由な世界』を、『無秩序な弱さ』と断じ、自らが世界の『真の管理者』となるべく、古代魔術を破壊的な『兵器』として使い始めたのです!」
アルベルトは、リリアンから受けた「再教育」で得た、古代魔術の基礎知識を歪んだ形で解釈し、わずかな力で世界全体を混乱に陥れることに成功していた。
リリアンが懸念した通り、彼が世界の平和のために力を使うことはなかった。彼は、リリアンの「自由な世界」を否定し、混沌を生み出すという、究極の「ざまぁ返し」をリリアンに突きつけたのだ。
リリアンは、冷静ながらも強い決意を込めた眼差しを浮かべた。
「そう。彼は、私の与えた知識を、世界の支配という最も愚かな目的に使った。世界を救った私に、まだ『最後の責任』が残っているようね。彼の歪んだ秩序を、今度こそ完全に打ち砕く!」
リリアンたちの、「世界を救った後」の本当の戦いが、今、始まった。
第7話、お読みいただきありがとうございます!
エデンでの最終決戦は、ガドとイザベラの協力で、見事妹シエラを救出し、ゼロを撃破! 最強パーティの連携、最高でした!
しかし、地上に戻ると、まさかのアルベルト王子の反乱! リリアン先生の「再教育」が、彼の歪んだプライドと結びつき、古代魔術を悪用して世界を混沌に陥れるという、最悪の展開になってしまいました!
これぞ、究極の「ざまぁ返し」! リリアン先生が創った世界を、リリアン先生の知識で破壊しようとするアルベルト王子。リリアンちゃんの「最後の責任」とは何か? 次回、ついにアルベルト王子との最終的な決着です! ご期待ください!




