第5話:傲慢王子の再教育と、最終兵器の完成
1. 最後の仕上げ
魔術式都市『エデン』への再突入を前に、ガドと元聖女イザベラは、ルシウスが発見した『対・浄化プログラム用バックドア』の起動に必要な超精密魔導具の最終調整を行っていた。
「くそっ、この古代の周波数、わずかでもズレるとゼロの破壊魔術で打ち消されてしまう!」ガドが唸った。
イザベラは、かつて神聖魔術を扱っていた感覚を研ぎ澄ませ、魔導具の周波数調整ダイヤルに手をかざした。
「ガドさん、ここです。この『一瞬の揺らぎ』が、神聖な波動と似ている。私の感覚を信じて。この位置で、完全に固定してください」
イザベラが指示した瞬間、魔導具から発せられる周波数が完璧な調和を奏で、安定した。
「完璧です、イザベラ様! 先生の言った通り、あなたの感覚が鍵だった!」ガドは興奮を隠せない。
イザベラは、安堵の息を漏らした。「リリアン様が創られた世界を守るために、私にも役に立てることがあった。感謝します」
2. 傲慢な再会
リリアンたちが古代魔導船に乗り込もうとしたその時、警備の目を潜り抜けた一人の男が、泥と埃にまみれた姿で現れた。それは、権威を失い、開墾作業を命じられていた元アルベルト王子だった。
アルベルトは、リリアンたちを見るや、かつての威勢を取り戻したかのように、傲慢な声を張り上げた。
「リリアン! 待て! 貴様が世界を救ったなど、馬鹿げた戯言だ! 貴様はただ、私が追放したことで、私への復讐のために力を得たに過ぎない!」
彼は、リリアンの胸ぐらを掴もうと手を伸ばした。
「貴様は、私に全てを奪われた! 今すぐ、その古代の知識と魔力を私に献上しろ! 私はこのアウロラ王国の正統な王子だ! 貴様は、私のために働くべき奴隷に過ぎない!」
ルシウスとガドが怒りに震え、シエルが威圧的な魔力を放とうとしたが、リリアンは静かにそれを制した。
3. 古代魔術による「再教育」
リリアンは、アルベルトの手を掴み、その冷たい瞳でアルベルトの目を見つめた。
「アルベルト王子。あなたの愚かさは、五年前と何も変わらないようね」
リリアンは、無詠唱で『古代魔術:精神介入』を発動させた。
アルベルトの意識の深部に、リリアンの膨大な知識が流れ込む。アルベルトは、瞬時に世界の真実、ガイア・システムの支配、そしてリリアンが一人で世界の終焉を食い止めた壮絶な戦いの光景を追体験した。
さらに、彼は古代魔術の膨大なデータ、そして彼自身が王族として世界に何も貢献できなかった『無力さ』の証明を、知識として直接与えられた。
「う、うわあああああ!」
数秒間の精神介入の後、アルベルトは悲鳴を上げ、地面に倒れ込んだ。彼の顔には、傲慢さの代わりに、己の愚かさと世界の真実を知ったことによる純粋な恐怖と絶望が貼り付いていた。
リリアンは、冷たく言い放った。「これが、あなたに施す最後の『教育』よ。あなたの愚かさは、もう世界の平和を乱すことはできない。一生、その無力さを胸に生きなさい」
4. エデンへの再突入
リリアンは、倒れたアルベルトを一顧だにせず、魔導船に乗り込んだ。
「元聖女イザベラは、過ちを認めて贖罪の道を選んだ。だが、アルベルト王子は、世界の真実を知ってもなお、己の傲慢さにしがみついた。彼の末路は、彼自身が決めたことよ」
シエルが、静かに言った。「リリアン。これで、お前を追放した過去との決着は全てついたな」
リリアンは、前を見た。「ええ。過去の清算は終わったわ。私たちの目的は、未来。シエラを救い、この世界を古代のタブーから完全に解放する。全速力で、魔術式都市『エデン』へ向かうわ!」
ガドが操縦桿を握り、超精密魔導具を携えたリリアン一行は、妹シエラを救い、古代の浄化プログラムを阻止するため、光速で『エデン』へと飛び立った。
第5話、お読みいただきありがとうございます!
今回は、リリアンちゃんがアルベルト王子に施す、究極の「ざまぁ再教育」でした! 力や権威を奪うのではなく、古代魔術で世界の真実と己の無力さを直接脳に叩き込むという手法、痺れましたね! これで、彼の傲慢さは完全に粉砕されました。
そして、改心したイザベラとの対比も完璧! イザベラの協力で、ガドの超精密魔導具も完成し、いよいよ役者は揃いました!
次話は、魔術式都市『エデン』への再突入! ゼロの破壊魔術を、ルシウスの知識とガドの技術、そしてリリアンちゃんの古代魔術がどう打ち破るのか、最高のクライマックスに向けて加速します! 続きもどうぞお楽しみに!




